今や街の風景の一部と化している、飲料の自動販売機。かつては飲料メーカーのロゴや企業カラーに彩られることがほとんどだった飲料自販機のデザインが、最近やけにバリエーション豊かになった。それは、車体全体に広告やキャラクターをラッピングした電車やバスの増加と連動しているようにも思える。大きなボディをフルラッピングする印刷技術が進化したのか、「空いているスペースには広告を」という意識が徹底されたのか。ともかく街では、さまざまなデザインの飲料自販機を見ることができる。 こうして各地の飲料自販機を見ていくと、キャラクターをあしらったものが多いことに気が付く。果たしてどのようなキャラクターがデザインされているのか、その傾向を探ってみたい。
全国区のキャラクターの場合
まず、全国的に有名なキャラクターが採用されているタイプ。「ポケモン」とコラボしている伊藤園は、人気キャラクター・ピカチュウをデザインした自動販売機を全国で展開している。


サンリオのキャラクター「キキ&ララ」も全国的に有名だが、設置されているのがサンリオピューロランドのある京王多摩センター駅なので、ある意味「ご当地キャラ」と言えるかも知れない。

ある世代以上の人には懐かしい「コスモ星丸」自販機も、そこがつくばエキスポセンターだからこその設置なのだろう。

ご当地キャラは自販機で躍動する

実は、キャラクター飲料自販機のうち、ご当地キャラがデザインされているものはとても多いのだ。中には小田原のように、飲料メーカーとご当地キャラがコラボをしているケースもある。こうしたご当地キャラの自販機上での活躍を見てみよう。
まず東京23区。大森には大田区公式キャラクターの「はねぴょん」自販機が、

王子には北区キャラクターの「きつね王子」自販機が設置されていた。

市単位で見てみると、犬山のキャラクター「わん丸君」、

特産品の豚肉をPRする「TONTONのまち前橋」のキャラクターである「ころとん」、

成田市観光キャラクター「うなりくん」など、実にさまざまなキャラクターが自販機になっていた。

都道府県単位でも、群馬県のキャラクター「ぐんまちゃん」が自販機になっている。

街のあちらこちらにご当地キャラクターをあしらった自販機を設置する。それは観光客に向けてはPRにつながり、地元の人にとっては郷土愛を感じられるものとなるだろう。また大田区の「はねぴょん」自販機のように、災害時に飲料が取り出せる災害救援ベンダーとしても機能しているものも多い。災害時に「あのキャラクターのところに行けば」という、心の拠り所になるだろう。
今後もご当地キャラ自販機に出会えることを楽しみに、旅を続けていきたいものだ。
イラスト・文・写真=オギリマサホ
オギリマサホ
イラストレータ―
1976年東京生まれ。シュールな人物画を中心に雑誌や書籍で活動する。趣味は特に目的を定めない街歩き。著書『斜め下からカープ論』(文春文庫)。