王子神社や飛鳥山公園などがあり、観光地としても人気の街、王子。都電荒川線がのどかに走り、下町風情が漂うが、じつはラーメン激戦区としても知られている。 広くないエリアにひしめく店は、どこも工夫を凝らして個性的な味で勝負。とことん煮干しにこだわった煮干し系から、澄んだとんこつスープ、侮れないセットメニューまで逸品揃い。 この記事では手軽に食べられるのに、お腹も心も満たされる、ラーメンの名店をご紹介します。

ビブグルマンに選出された自家製麺の店。『キング製麺』

全部入りワンタンメン1240円。自家製麺は「佐野ラーメンや白河ラーメンを目指した」という素朴な味わい。
全部入りワンタンメン1240円。自家製麺は「佐野ラーメンや白河ラーメンを目指した」という素朴な味わい。

ラーメン界の新星・水原裕満さんが手掛ける『キング製麺』はミシュランガイド・ビブグルマン部門にも選ばれるという超実力派。和のだしがきいた中華そばに山椒を組み合わせた山椒ラーメンは絶品。迫力のあるうま味が詰まった肉ワンタンとプリップリの海老ワンタンがトッピングされた全部入りでお試しあれ。

煮干し、昆布、しいたけ、あさりで出汁をとり、白醤油と合わせた濁りのないスープは心が洗われるようなおいしさ。山椒のオイルと削った山椒の実で演出するすっきりとした風味が印象的。
煮干し、昆布、しいたけ、あさりで出汁をとり、白醤油と合わせた濁りのないスープは心が洗われるようなおいしさ。山椒のオイルと削った山椒の実で演出するすっきりとした風味が印象的。

『キング製麺』店舗詳細

キング製麺
住所:東京都北区王子本町1-14-1 高崎ビル1F/営業時間:11:00〜15:00、17:30〜20:30/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線王子駅から徒歩7分

シビ辛の塩らーめんと奥深い塩つけ麺を堪能。『らーめん えんや』

味玉チャーシュー麻辣らーめん1100円。写真は3辛。
味玉チャーシュー麻辣らーめん1100円。写真は3辛。

『ラーメンスクエア立川』の「第五回ラーメントライアウト」で優勝し、2011年に王子駅前にオープンした塩らーめんの名店。近年の激辛ブームもあり麻辣塩らーめんも人気。1辛から3辛まで選べ、3辛ともなると口の中が痺れて火を噴きそうな刺激がある。塩つけ麺〜煮干し出汁かけ〜も逸品で、黄金色に輝くつけ汁と、麺が入った丼に注がれた昆布と煮干しの出汁が合わさり、食べ進めるたびに旨さの深みが増す。真空低温調理の三元豚肩ロースチャーシューや岩海苔なども美味。

1辛〜3辛まで選ぶことができる。
1辛〜3辛まで選ぶことができる。
塩つけ麺〜煮干し出汁かけ〜900円。
塩つけ麺〜煮干し出汁かけ〜900円。

『らーめん えんや』店舗詳細

らーめん えんや
住所:東京都北区岸町1-1-10 岸町NUビル1F/営業時間:11:00〜翌1:30/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩1分

ガツンとパンチの効いた豚骨魚介の味わい。『八重桜』

特製豚骨魚介つけめん1050円。コシのある太麺とどろっと濃厚なつけ汁がたまらない!
特製豚骨魚介つけめん1050円。コシのある太麺とどろっと濃厚なつけ汁がたまらない!

豚骨魚介つけ麺で王子の地元客の胃袋をつかむ『濃厚つけ麺 八重桜』。うま味が詰まったドロドロスープと自家製の太麺がインパクト大! 土日は争奪戦になるという限定10食のオマール海老のラーメンにも注目。鶏白湯スープに海老の頭を合わせて煮込んだスープは海老の風味がしっかり活きている。

オマール海老らーめん1050円。海老の出汁スープに溶け込み、味わい豊か。
オマール海老らーめん1050円。海老の出汁スープに溶け込み、味わい豊か。

『濃厚つけ麺・ラーメン 八重桜』店舗詳細

濃厚つけ麺・ラーメン 八重桜(ノウコウツケメン ラーメン ヤエザクラ)
住所:東京都北区王子1-15-5/営業時間:11:30〜23:00(日・祝は11:30〜21:00)/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅より徒歩5分

老若男女が豚骨スープの虜に。『博多ラーメン 虎』

ほほ肉、バラ肉、肩バラ肉のチャーシューを盛りつけ。味玉には国産ブランド「山麓」の卵を贅沢に使用。
ほほ肉、バラ肉、肩バラ肉のチャーシューを盛りつけ。味玉には国産ブランド「山麓」の卵を贅沢に使用。

博多ラーメンといえば豚骨だが、ここのスープはひと味違う。豚骨のダシには国産豚の頭のみを使用。それを長時間煮込むことで濃厚さを残しつつ、独特の臭みを抑えている。よりパンチの効いた味が好みなら、数種の香野菜とオイルを調合したトッピング・パンチ100円を加えるべし。人気No. 1のトッピングは半熟煮玉子100円。次点のキャベツ100円は女性に人気だという。トッピング次第でオリジナルの味わい方ができるのが『虎』のスタイルだ。

出店から約10年。いまでは王子の有名店として知られている。
出店から約10年。いまでは王子の有名店として知られている。

『博多ラーメン 虎』店舗詳細

博多ラーメン 虎
住所:北区神谷 3-43-17/営業時間:11:00〜24:00/定休日:木/アクセス:地下鉄南北線王子神谷駅から徒歩10 分

飲み干す人が多い濃厚魚介スープ。『中華そば屋伊藤』

自家製麺は、パツッと歯切れが良い。
自家製麺は、パツッと歯切れが良い。

店主は秋田県角館の名店『自家製麺 伊藤』で修業。千葉県九十九里の煮干し製造元から直接買い付けた高級煮干しをはじめ、さば節や昆布などを使用したスープが絶品だ。無化調で、魚介系のえぐみが少なく、旨味を存分にに味わえる。オリジナルブレンドした小麦粉で毎日打つ自家製麺は、パツッと歯切れがよく、こちらも旨味が強い。ゆえに中華具はネギのみ。そのシンプルさに店主の意気込みを感じられる。

店内はいたってシンプル。「内装などにお金をかけるくらいなら材料費にかける」と店主。
店内はいたってシンプル。「内装などにお金をかけるくらいなら材料費にかける」と店主。

中華そば屋伊藤 店舗詳細

中華そば屋伊藤
住所:北区豊島4-5-3/営業時間:11:00〜 16:00(土・日・祝は11:00〜17:00ごろ)/定休日:月・第4 日/アクセス:地下鉄南北線王子神谷駅から徒歩12分

昔ながらの味を求めて……『煮干そば 流。』

「昔ながらの」という言葉がぴったりのトッピング・ナルトが、器の中にそっと彩りを添える。
「昔ながらの」という言葉がぴったりのトッピング・ナルトが、器の中にそっと彩りを添える。

口当たり柔らかな自家製の麺と、煮干しのスープにこだわりあり。スープは、ひとつの寸胴で5種類もの煮干しをブレンドしている。煮干しの分量は店主・手塚さん自身の感覚だけが頼り。複数の寸胴でスープを合わせる調理法もあるが、味がブレにくいぶん、深みがなくなるという。失敗のリスクをかえりみず「昔ながらの、あとからじんわり来るような味わい」を探求する――これが、6年以上に及ぶ修業と研究を糧に独立した〝手塚流〟だ。

十条駅のホームに沿って延びる、細い路地の途中でひっそりと営業する。
十条駅のホームに沿って延びる、細い路地の途中でひっそりと営業する。

煮干そば 流。 店舗詳細

煮干そば 流。(る)
住所:北区上十条1-13-2/営業時間:11:00〜15:00・18:00〜23:00(土・日・祝は11:00〜21:00)/定休日:火(『逆流』として営業)/アクセス:JR埼京線十条駅から徒歩3分

あと味すっきり、なのにコク深豚骨スープ。『空ノ色 王子店』

淡口豚骨ラーメン780円。淡口と書いて、「うすくち」と読む。
淡口豚骨ラーメン780円。淡口と書いて、「うすくち」と読む。

2021年王子にオープンした『空ノ色(そらのいろ)』で食べられる淡口(うすくち)豚骨ラーメンは、十分に豚骨のうま味を感じるのに、どこかすっきりとしていて飲み干したくなる。水分少な目の麺はぷつぷつと歯切れがよく、低温調理のチャーシューも美味。豚骨ラーメンながら繊細なおいしさをまとった一杯でただいま人気沸騰中。

九州名物かしわ飯も忘れずに! 250円。
九州名物かしわ飯も忘れずに! 250円。

『空ノ色 王子店』店舗詳細

空ノ色 王子店(そらのいろ おうじてん)
住所:東京都北区堀船1-4-9/営業時間:11:30〜14:30LO・17:00〜19:45LO/定休日:無/アクセス:JR王寺駅・都電荒川線王子駅前電停から徒歩3分

取材・文=速志 淳、上原 純(Of ce Ti+)、宇野美香子 撮影=金井塚太郎、小野広幸、宇野美香子