下町の殿堂・浅草寺から遊女の悲話が残る吉原弁財天、酉の市で知られる鷲神社、空の旅の御利益がある飛不動尊、小塚原刑場を伝える延命寺と回向院など、個性的な寺社を巡る下町さんぽ。あしたのジョーや樋口一葉ゆかりの地もあり、散策の興味は尽きない。

スタート:地下鉄銀座線・浅草線浅草駅ー(1分/0.1㎞)→浅草寺ー(23分/1.2㎞)→待乳山聖天ー(2分/0.1㎞)→山谷堀公園ー(28分/1.5㎞)→吉原弁財天ー(4分/0.2㎞)ー鷲神社ー(5分/0.3㎞)→飛不動尊ー( 4分/0.2㎞)→一葉記念館ー(9分/0.5㎞)→あしたのジョー「立つんだ像」ー(18分/1.0㎞)→延命寺ー(1分/0.1㎞)→回向院ー(21分/1.1㎞)→都立汐入公園ー(21分・1.1㎞)→千住大川端公園ー(16分/0.9㎞)→柳原千草園ー(11分/0.6㎞)→大和湯ー(13分・0.7㎞)→ゴール: JR・地下鉄・私鉄・つくばエクスプレス北千住駅

今回のコース◆約9.6㎞/約3時間/約1万2800歩

1 浅草寺

寺も商店街も都内最古

推古天皇36年(628)に隅田川で投網漁をしていた檜前浜成(ひのくまのはまなり)・武成(たけなり)の兄弟の網にかかった仏像を、郷司の土師真中知(はじのなかとも)が自宅に奉安したのが起源とされている。都内最古の寺院で、「浅草観音」とも呼ばれ年間3000万人を超す参拝者が訪れる。雷門から宝蔵門まで約250mにわたって続く仲見世は都内最古の商店街で、約90店舗の店が連なる。

浅草寺(せんそうじ)
住所:東京都台東区浅草2-3-1/営業時間:境内自由(本堂は6:00〜17:00、10月〜3月は6:30〜)/定休日:無/アクセス:地下鉄銀座線・浅草線浅草駅から徒歩5分

2 待乳山聖天

参詣のときは大根を供える

寺名は本龍院というが、歓喜天(聖天)を本尊とすることから待乳山聖天の名で呼ばれる。境内各所で健康と良縁、夫婦和合を意味する二股大根と、商売繁盛を意味する巾着が見られる。隣接する待乳山聖天公園に池波正太郎生誕地の碑が立つ。

待乳山聖天(まつちやましょうでん)
住所:東京都台東区浅草7-4-1/営業時間:境内自由/定休日:無/アクセス:地下鉄銀座線・浅草線浅草駅から徒歩10分

3 山谷堀公園

春は桜、秋は紅葉の名所

山谷堀は、かつてこの地を流れていた水路。江戸初期に荒川の氾濫を防ぐため、三ノ輪から大川(隅田川)の出入り口である今戸まで造られた。現在は埋め立てられ、日本堤から隅田川までの約700mが公園として整備されている。東京スカイツリーのビュースポットにもなっている。

山谷堀公園(さんやぼりこうえん)
住所:東京都台東区東浅草1、浅草6・7ほか/営業時間:園内自由/アクセス:地下鉄銀座線・浅草線浅草駅から徒歩19分

4 吉原弁財天

吉原の遊女たちの悲話が伝わる

岩積みの山の上に立つ吉原観音像は、関東大震災で亡くなった吉原の遊女たちを供養するために大正15年(1926)に建立されたもの。赤いのぼりがはためく境内に、弁財天を描いた社殿が立つ。近くには弁財天の本営である吉原神社がある。

吉原弁財天(よしわらべんざいてん)
住所:東京都台東区千束3-22-3 花園公園内/営業時間:境内自由/アクセス:地下鉄日比谷線入谷駅から徒歩20分

5 鷲神社

酉の市発祥の神社で開運を祈願

毎年11月に行われる酉の市で知られる神社。酉の市の午前0時に打ち鳴らされる太鼓を合図に市が始まり、開運・商売繁盛の縁起物の熊手御守を扱う露店から威勢のよいかけ声が響く。境内には樋口一葉の文学碑や正岡子規の句碑が立つ。

鷲神社(おおとりじんじゃ)
住所:東京都台東区千束3-18-7/営業時間:境内自由/アクセス:地下鉄日比谷線入谷駅から徒歩7分

6 飛不動尊

珍しい交通安全のお不動様

享禄3年(1530)創建。古来より、旅人の守り本尊として信仰され、近年では航空安全や道中安泰のお不動様として信仰が篤い。通信が途絶えていた小惑星探査機「はやぶさ」の帰還を祈願したところ、無事帰還したということでも有名になった。

飛不動尊(とびふどうそん)
住所:東京都台東区竜泉3-11-11/営業時間:境内自由/アクセス:地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩8分

7 一葉記念館

我が国初の女性作家の単独文学館

記念館が立つ旧下谷竜泉町(現竜泉)は、樋口一葉が荒物駄菓子店を営みながら代表作『たけくらべ』の着想を得た地。館内では直筆の草稿や書簡などを展示するほか、作品や愛用品などを通じて、24年間の短い生涯を紹介する。

一葉記念館(いちようきねんかん)
住所:東京都台東区竜泉3-18-4/営業時間:9:00〜16:00/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩10分

8 あしたのジョー「立つんだ像」

「立つんだジョー!」と叫びたくなる

かつて日本堤と呼ばれた土手があった通り沿いに、漫画『あしたのジョー』の主人公、矢吹丈をモデルにした「立つんだ像」が立つ。この辺りは山谷と呼ばれたドヤ街で、物語の舞台となったところ。近くのいろは通り商店街の北側には、物語に登場する泪橋(現在は交差点名のみ)もある。

あしたのジョー「立つんだ像」(あしたのじょー「たつんだぞう」)
住所:東京都台東区日本堤1/営業時間:観賞自由/アクセス:地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩10分

9 延命寺

名前は怖いが笑みが優しい首切り地蔵尊

もともとは隣接する回向院の一部だったが、明治期に鉄道の線路が敷かれ、境内が分断。昭和57年(1982)に分院独立した。高さ4mの首切り地蔵は、寛保元年(1741)に27個の花崗岩を組み合わせ建立したもので、延命地蔵尊と呼ばれてる。

延命寺(えんめいじ)
住所:東京都荒川区南千住2-34-5/営業時間:境内自由/アクセス:JR常磐線・地下鉄日比谷線南千住駅から徒歩5分

10 回向院

偉人が眠る江戸時代の処刑場跡

江戸時代の小塚原刑場跡。安政の大獄で処刑された吉田松陰(後に世田谷区松陰神社へ移設)や橋本左内などが眠る。明和8年(1771)に蘭学者の杉田玄白や前野良沢などが処刑者の腑分け(解剖)に立ち会い、後に『解体新書』を完成させた。

回向院(えこういん)
住所:東京都荒川区南千住5-33-13/営業時間:9:00〜16:30/定休日:無/アクセス:JR常磐線・地下鉄日比谷線南千住駅から徒歩2分

11 都立汐入公園

水辺と緑が一体となった総合公園

広い芝生や遊具が設置された広場、区内唯一のバーベキューができる広場などがある隅田川沿いの公園。遠くに東京スカイツリーを望む眺望のよさやレジャーシートを広げてのんびりできるとあって、休日ともなると家族連れでにぎわう。

都立汐入公園(とりつしおいりこうえん)
住所:東京都荒川区南千住8-13-1/営業時間:入園自由/アクセス:JR常磐線・地下鉄日比谷線南千住駅から徒歩12分

12 千住大川端公園

隅田川を望むベンチで春の花を愛でる

千住汐入大橋のたもとに設けられた公園。4月上旬から下旬になると、赤や薄桃色、白と色とりどりのツツジが斜面を彩り、春の装いとなる。対岸の高層マンション群や千住汐入大橋の眺めがよく、隅田川を渡る爽やかな風や水音を聞きながら、ゆっくりと過ごすことができる。

千住大川端公園(せんじゅおおかわばたこうえん)
住所:東京都足立区千住曙町41-10/営業時間:入園自由/アクセス:京成線京成関屋駅から徒歩5分

13 柳原千草園

四季の花々が楽しめる植物公園

製紙工場の跡地を利用した植物公園。四季をテーマにした園内には、ロウバイ、桜、スイセンなどが咲く春の広場、シャクナゲ、アジサイなどが咲く夏の庭、紅葉が楽しめる秋・冬の山エリアがあり、四季を通じて植物観賞を楽しめる。

柳原千草園(やなぎはらちぐさえん)
住所:東京都足立区柳原1-21-26/営業時間:園内自由/アクセス:京成線京成関屋駅から徒歩6分

14 大和湯

露天風呂は日替わり湯でほっこり

唐破風屋根に昔ながらの趣が残る。浴室は、男女ともに、強力ジェットマッサージ効果のある湯船やバイブ路湯船、ぬる湯など、多機能な湯船が豊富。自慢はなんといっても露天風呂。ショウブや漢方、ザクロなどの薬湯を日替わりで楽しめる。

大和湯(やまとゆ)
住所:東京都足立区柳原2-43-1/営業時間:15:30〜23:00(日は14:00〜)/定休日:水/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩10分

15 土手の伊勢屋

名建築で味わう江戸前天丼

明治22年(1889)創業。天ぷらが丼からはみ出す天丼は、上質のごま油を使って高温で一気に揚げるためサクッとした食感。天丼(イ)1600円、(ロ)2100円、(ハ=写真)2600円。昭和初期建築の建物は国の登録有形文化財。

土手の伊勢屋(どてのいせや)
住所:東京都台東区日本堤1-9-2/営業時間:11:00〜14:30/定休日:水・第4火(臨時休業あり)/アクセス:地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩9分

16 ピッツェリア アッローロ

イタリアから仕入れる厳選素材を使用

「ピザ好きが高じて、店を出すにいたりました」と話す店主の三好さん。約500度の薪窯で一気に焼き上げるナポリピッツァは、パリッ&モッチリ食感。今週のスペシャルピッツァ1320円なら、ハーフ&ハーフでも味わえる。

ピッツェリア アッローロ(ぴっつぇりあ あっろーろ)
住所:東京都足立区千住旭町3-13/営業時間:11:30〜14:00LO・17:30〜22:00LO/定休日:日・祝の月/アクセス:JR・私鉄・地下鉄北千住駅から徒歩2分

取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)