松江城に近い島根県庁前(松江市殿町)に建設される高層マンション(高さ57メートル、19階建て)を巡り、景観審議会の委員12人のうち9人が20日、審議のやり直しを求める要望書を市に提出した。これを受け、上定昭仁市長は「現時点での再度の諮問は考えていない」とする一方「審議会委員からの意見であり、適切に対応する」とのコメントを出し、要望書の内容を精査する考えを示した。

 マンション建設計画は、上定市長から諮問を受けて開いた昨年10月の景観審議会で、市景観計画で定める眺望基準を満たすとの答申をまとめた。再審を要望する委員9人は、審議会で「眺望基準」と「意匠形態や色彩」の2点の審議のみしか上定市長から諮問を受けておらず、高さに関して周辺景観との調和などの観点から審議できなかったと主張。改めて町並みとの調和について上定市長が諮問し、景観審議会を再度開くことを求めている。

 20日は再審を求める委員9人のうち4人が松江市末次町の市役所を訪れ、市建築審査課の職員に要望書を提出した。委員の1人で要望書を取りまとめたNPO法人まつえ・まちづくり塾の金坂浩史副代表は「前回の諮問で不足していた高さに関しての景観との調和を再度諮問し、審議会を開いてほしい」と要請。今回のマンション建設が前例となり、高層マンションが乱立する懸念も示した。

 マンションの工事施工者によると、20日時点で予定地にあった建物の解体作業は完了し、近く着工する予定という。