鳥取大医学部付属病院(米子市西町)で十分な説明がないまま受けた腫瘍の切除手術中、大量出血で脳などに重い障害が残ったとして、米子市内の20代男性が同大に1億7500万円の損害賠償を求めた訴訟は14日、鳥取地裁米子支部で和解が成立した。大学側が解決金1億5千万円を支払う。

 訴状や原告代理人によると、男性は2019年4月、胸部の腫瘍を切除する手術支援ロボット「ダビンチ」を使った手術を受けた。病院は一般的な開胸手術と比べて視野が狭く、臓器や血管の位置や、範囲が確認しにくい可能性があったにもかかわらず、危険性について説明しなかった。

 執刀医がカメラで見えない部分に鉗子(かんし)を挿入し、誤って動脈を損傷させたため、男性は高次脳機能障害や呼吸機能障害が残り、通常の就労ができなくなった。執刀医と担当教授は19年9月、十分に説明しなかったことなどを謝罪。21年8月に病院側が賠償金2千万円を提示したが、男性側は不十分として提訴した。

 会見した原告側の高橋真一弁護士は「勝訴的和解だ」と評価。男性の家族らは、病院が提示した賠償額について慎重に検討する姿勢が重要と指摘した。家族は「今後ロボット支援手術を受ける患者やその家族には、詳しく分かりやすく事前説明をしてほしい」とコメントした。

 病院側は「再発防止に努めるとともに、今後とも地域の皆さまに信頼され、安全で、ご満足いただける質の高い医療の提供に最大限努力する」とのコメントを出した。