2024年度の「焼肉店」の倒産が前年度から6割増え、過去最多となったことが1日、東京商工リサーチの調査で分かった。高い換気能力や一人焼肉の人気で新型コロナウイルス禍も乗り切った業界だが、輸入牛肉の価格や光熱費の高騰、人手不足などが重なり、一気に苦境に立たされている。
24年度の負債1000万円以上の倒産は前年度比61・2%増の50件で過去最多を更新した。24年1〜12月の休廃業・解散も28件と前年から倍増している。
円安の進行で輸入牛肉の価格が高騰。光熱費も上昇したうえ、人手不足が重なった。大手レストランや居酒屋チェーンも参入し、競争が激化していることもあり、体力の乏しい小規模店の倒産が増えている。
大衆価格を前面に出していた焼肉店ほど、価格転嫁の影響が客足を直撃した。一方、社員の交際費に厳しい企業が増え、高級店も高額設定が難しくなっているという。東京商工リサーチは「長年守ってきた肉質と味で勝負するか、付随的な商品を開拓して総合価格で勝負するのか、生き残り策の模索が始まっている」としている。
焼肉店は11年に5人が死亡した「焼肉酒家えびす」の生肉集団食中毒事件で、12年度の倒産件数は33件となるなど、全国的に〝焼肉店離れ〟が広がった。衛生管理の徹底で信頼が回復すると、食べ放題や一人焼肉などの大手チェーンが台頭するなどサービスが広がり、倒産は年20件前後で推移。コロナ禍の20年度は換気能力の高さをアピールしたことで、逆に12件に減少し、22年度まで20件を下回って推移していた。(高木克聡)


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