【上海=河崎真澄】中国国家統計局が17日発表した2017年4〜6月期の国内総生産(GDP)成長率は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比6・9%となった。1〜3月期と横ばいの成長率だが、3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で公表した17年通年の政府目標6・5%前後の達成に向け、上半期は高めの成長を記録した。

 国家統計局の報道官は17日の記者会見で、成長率をめぐって習近平総書記(国家主席)を、党の最高権力者を意味する「核心」と連呼し、習氏による経済政策の“成果”だと訴えた。

 最高指導部の人事を決める5年に1度の中国共産党大会を今秋に控え、権力基盤の確立を急ぐ習氏が安定成長を“演出”したとの見方が出ている。党大会の年は過去にも成長率が上積みされる傾向があった。

 共産党は5年前の党大会で、20年までに名目GDPを10年比で倍増させ、人民所得も倍増させる公約を打ち出した。実現には今後も年間6・5%以上の成長が必要と試算されている。

 17日に同時に発表された鉱工業生産は、6月に前年同月比で7・6%増と5月の6・5%増から加速。個人消費動向を示す小売売上高も11・0%増と5月の10・7%増から拡大した。幅広い投資動向をカバーする1〜6月の都市部固定資産投資は前年同期比8・6%増と1〜5月と同じ伸びを確保。数字の上では景気回復の姿が作られている。

 だが、その背後には金融緩和で市中にあふれた資金で過熱した住宅市場バブルがあり、崩壊懸念が潜んでいることも当局は知っている。資産バブルが崩壊した場合の社会混乱を恐れる当局は、銀行の帳簿外融資などグレーな「シャドーバンキング(影の銀行)」資金を使った投機的取引を抑制しようと、金融規制や監督を強化。15日に閉幕した5年に1度の全国金融工作会議でも、金融リスクを防ぐための「金融安定発展委員会」新設を決めている。

 公共事業も開発案件を包含した交通インフラがカギを握っており、民間の不動産投資と成長の“両輪”を担う。海外からの対中直接投資や中国からの輸出が伸び悩む中、世界第2の経済大国である中国の「政治要因」のブレが国際経済の大きな不安要因にもなる。