麺類やパン、ご飯といった糖分、炭水化物の摂取を控えて生活習慣病の予防やダイエットにつなげる「糖質制限食」が注目される中、特別メニューを取り入れるレストランが増えている。当然、味にもこだわっており、食事制限はつらいものといったイメージを払拭。健康のために我慢する必要はないとあって好評だ。(阿部佐知子)

ブロッコリーに着目

 JR大阪駅構内にある「エスタシオンカフェグラン大阪」は、ご飯や麺と同じくらい食べごたえがあり、栄養価が高いものとしてブロッコリーに着目。今年1月に新メニューの提供を始めた。

 オムライスのご飯のかわりにブロッコリーを使った「オムッコリー」(900円)、パスタの麺をブロッコリーに替えた「カルボナーラブロッコリー」(990円)、和風しょうゆブロッコリー(950円)の3種類。

 ダイエットに関心の高い若い女性だけでなく男性にも注目されており、注文は1日に計10件程度あるという。担当者は「パスタやご飯を使わない以外は同じ味付けで、元のメニューと変わらずおいしく楽しめると好評」と話す。

料理長自ら効果実感

 ファミリーレストランのロイヤルホストは4月12日から、オリジナルの低糖質パン(270円)の提供を始める。小麦粉の代わりに大豆粉を使い、しっとりとした食感になるよう工夫した。ハンバーグなどのセットメニューとしても選べるという。

 オーベルジュ(宿泊型のレストラン)スタイルの神戸北野ホテル(神戸市中央区)は、フランス料理のディナーに低糖質のコース(1万1880円)を用意している。

 神戸高見牛のローストをメインディッシュにデザートまで12品。小麦粉の代わりに大豆やナッツの粉を、砂糖の代わりに低糖質の甘味料を使用する。このほか素材の持つコクやうまみで調理を工夫し、1食の糖質量を38・55グラムに抑えた。

 低糖質メニューに関心が高まる中、同ホテルの山口浩総支配人・総料理長が実際に糖質制限ダイエットを試し、効果を実感したのがきっかけ。セミナーなどで学び、食材メーカーやパン職人らと相談しながら、2カ月ほどかけてメニューを開発し、他のコースと遜色のない味に仕上げることができたという。

 広報担当者は「糖質を制限していても、家族や友人とおいしく食事を楽しむことができると喜ばれます」と話す。

伸び続ける市場規模

 3大栄養素の1つである炭水化物に含まれる糖質は、取り過ぎると糖尿病など生活習慣病の原因にもなる。ただ、厳しい糖質制限は続けるのが困難なほか、行き過ぎると心臓血管障害などのリスクが高まるという調査もある。

 このため、食品メーカーや流通大手などでつくる「食・楽・健康協会」(東京都)は、通常1食当たり90〜100グラムの糖質量を、20〜40グラムに抑える緩やかな糖質制限食を推奨。ご飯を減らして肉や魚のおかずを増やし、野菜やキノコなど糖質量の少ない食材や低糖質甘味料を使うことで、無理なく糖質を制限できるとしている。

 アルコール飲料や清涼飲料水、菓子などでは「糖質オフ」製品が近年相次いで発売されている。調査会社の富士経済の調べでは、「糖質オフ・ゼロ」商品の平成28年の市場規模は、前年比7・7%増の3431億円の見込みと、近年伸び続けている。