NHKの上田良一会長は12日の会見で、受信料について「中期的な収支の見通しを精査した上で、受信料の値下げを実施したい」と述べた。値下げの時期や下げ幅については、「経営委員会と議論を重ねた上で年末までに結論を得て公表できるよう議論を急ぐ」と言及。受信料徴収に絡むシステムの改修に1年ほどかかるというが、平成31年度中には実施したいとの考えを示した。

 受信料値下げは、NHKがテレビと同じ番組をインターネットで流す「常時同時配信」を実施するのに必要な条件の一つとして、総務省の有識者会議が7月に指摘していた。

 上田会長は同時配信について「放送を補完するものとして実施し、視聴機会の拡大を図っていきたい」と改めて意義を強調。その上で、これまで値下げに慎重な姿勢を示してきたが、昨年12月に最高裁が受信料制度を「合憲」とした判断に触れ、「やはり最高裁判決は極めて大きな出来事で、非常に堅調に受信料収入が伸びていることも踏まえ、収入にゆとりがあるのであれば、本来的なNHKの立場に立ち返って対応すべきだと判断した」と語った。

 また、12月1日から衛星で本放送が始まる超高精細映像の4K・8K放送に絡み、「衛星放送の将来像については、4Kの普及状況を見ながら衛星波を整理・削減する方向で放送開始1年をめどにその時点での考え方を示したい」とチャンネル数の見直しについても初めて明言した。

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 NHK受信料 放送法の規定で、NHKの放送を受信できるテレビを設置した世帯・事業所は、NHKと受信契約を結ばなければならない。口座振替かクレジットカードで2カ月ごとに支払う場合の月額は、地上契約が1260円、衛星契約が2230円。沖縄県は額が異なる。最高裁大法廷は平成29年12月、受信料制度を合憲とした。