新社会人となった女性の中には、月経前症候群(PMS)や生理痛などの症状と仕事の両立に不安を感じている人がいるかもしれない。対処法として知っておきたいのが、女性特有の健康課題の解決を目指す「フェムテック」サービスだ。生理に伴う体調変化を予測するアプリを使ったり、オンラインで専門医の診察を受け低用量ピルを処方してもらったりする方法もある。

アプリでPMS対策

生理前のつらいとき、学生時代は授業を休んで対処できたが、社会人になると休みにくくなるのでは−。そんな不安を、就職したての女性が抱えているという。

生理・PMS対策のアプリ「ケアミー」の運営会社が昨年4月、PMSなどを抱える新社会人女性100人に聞いたところ、94・5%が社会人生活で生理の不調に「不安がある」と答えた。

PMSは月経(生理)周期のうち、排卵後、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなる「黄体期」に起こる。生理前のイライラや抑鬱状態、便秘、むくみなどの症状があり、症状の有無や度合いには個人差がある。

「不調になりそうな時期を前もって把握できれば、在宅勤務に切り替えるなど予定を調整することもできる」。そう話すのはケアミーの開発者で運営会社ヘルスアンドライツ(東京)の代表、吉川雄司さんだ。

ケアミーのアプリは、腹痛や乳房の痛み、発汗など「体の症状」41項目や、イライラ、集中力低下などの「心の状態」19項目、基礎体温などを毎日記録すると、そのデータを基に、次の月経周期にどんな不調がいつごろ、どのくらいの確率で起こるのかを予測。こうした体調の情報を、パートナーに共有することもできる。

オンラインでピルを

低用量ピルの服用も、生理に伴う不調の軽減策となる。オンライン診療事業を展開するネクイノ(大阪)が昨年2月、低用量ピル服用経験者2039人に聞いた調査では、初めて服用したタイミングについて約7割が「社会人になってから」と回答。服用を続ける理由として、避妊に加え、生理に伴う症状の改善をあげる人が多かった。

低用量ピルは一般的にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが配合された医薬品。毎日服用することで排卵を抑制し、女性ホルモンのバランスを一定に整えることで生理痛の軽減やPMSの緩和、避妊の効果が期待できる。

一方で、気をつけたいのが副作用だ。服用開始当初は、体内のホルモンバランスが一時的に変化するため副作用が現れやすいといわれている。ほかに、血栓症のリスクがわずかながら高くなることがあり、特に喫煙者は高リスクとされ、服用できない人もいるという。

低容量ピルは婦人科を受診して処方してもらうのが一般的だが、オンラインで診察を受け、処方された薬を郵送で受け取れるサービスもある。同社のオンライン診療サービス「スマルナ」もその一つだ。スマルナの担当者は服用当初の副作用について、「1〜3カ月ほど服用を続けると女性ホルモンのバランスが整い、症状の多くは次第に落ち着いてくることが多い」と説明する。

オンライン診察は、場所や時間に縛られず気軽に相談できて便利だが、内診や超音波検査などで体を直接診る検査はできない。そのため定期的にかかりつけの婦人科を受診することも心がけたい。

担当者は「生活環境に合わせてオンラインと対面診療を使い分けることで、安心してピルを服用し続けられる環境を整えながら利用してほしい」と話している。(篠原那美)