ウイルスを持ったマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、高齢者の重症化リスクが高いとされる。国内では西日本を中心に届け出が相次ぎ、今年に入り10件以上の感染を確認。死亡事例も報告された。薄着になる機会が増える夏本番は特に注意が必要だ。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)が公表している統計によると、平成25年3月から今年4月末までの全国の症例届け出は計1071件。令和3〜6年は毎年100件を超え、5年は過去最多の134件だった。
1071件の約9割が60代以上。死亡したのは117人で、うち80代が50人、70代が39人に上り、高齢者が重症化しやすいとされる。
1071件を都道府県別にみると九州や中国、四国など主に西日本に集中。近畿では、和歌山県39件▽兵庫県15件▽京都府14件▽大阪府8件▽滋賀県と奈良県がいずれも1件。西日本のある自治体関係者は「早期に検査態勢を整備し、SFTSを疑う医師からの検査依頼が多いことが、多数の届け出につながっているのでは」と推測する。
無理に除去せず、医療機関へ
マダニは森林や畑のほか、郊外や市街地でも生息し、春から秋にかけて活発に活動する。身を守るには、どのような点に注意すべきか。
厚生労働省や自治体のホームページでは、農作業やキャンプなどの屋外レジャーの際、肌の露出を少なくするよう呼び掛けている。具体的には首にタオルを巻くほか、厚手の長袖や長ズボンを着用し、ズボンの裾は長靴の中に入れたり、靴下をかぶせたりする。肌の露出部には、虫よけスプレーを塗る。
マダニの成虫は肉眼で見ることができ、体長は吸血前で3〜8ミリ、吸血後は1〜2センチ。吸血はときに10日間以上にわたることもある。自治体などは、吸血中は無理に取り除かずに医療機関で処置を受け、数週間は体調の変化に注意し、発熱などがあれば医療機関を受診するよう促している。


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