JR京葉線の新習志野−海浜幕張駅間にできた新駅、幕張豊砂駅(千葉市美浜区浜田)が18日開業した。朝からあいにくの雨だったが、午前3時半ごろには多くの利用客らが並んで開業の瞬間を待ち構えるなど、25年ぶりとなる県内のJR新駅のスタートに駅構内や駅の目の前にあるイオンモール幕張新都心などはお祝いムードに包まれた。

午前4時過ぎ、シャッターが開くと、千葉市のデザイナーの男性(45)が一番乗りで切符を購入した。17日夕から駅の前で並んだという。「白いきれいな駅だ。1番最初にこの駅に関わることができてうれしい」と笑顔を見せた。

上り線が高架部分、下り線が地上を走るため、ホームが段違いになっている珍しい駅だ。船橋市の女性(45)は「ずっと子供が来たいと言っていて早起きした。実際に見ると構造が面白い」と話し、千葉市の高校生(17)は「特殊な構造なので、中に光が差し込んでくるときれいだと思う」と心を躍らせた。

東京駅と蘇我駅を結ぶ京葉線で18番目となる幕張豊砂は各駅停車が止まり、快速電車は通過する。1日平均1万6千人の利用者数が見込まれる。駅は隣の海浜幕張の管理だ。

出発式は下りホームで幕張豊砂を午前5時6分に出発する蘇我行にあわせて行われた。海浜幕張の前原奈緒子駅長が「出発進行」と力強く合図。ホームにいた利用客らに見守られながら発車した。県内のJRでは平成10年の武蔵野線東松戸駅以来の開業となった。前原駅長は「無事に開業できた。皆さまに愛される駅を目指したい」と話した。

駅の事業費は約115億円で半分をイオンモール、残りを県、千葉市、JRで均等に負担した。午前9時の開業式典では4者がテープカットした。神谷俊一市長は「『第2の街びらき』とも言うべき大きな転換点。海浜幕張駅の混雑緩和など、大きな効果があると思う」とあいさつした。

「開業まつり」も行われ、イオンモールでは和太鼓パフォーマンスで新駅の門出を盛り上げた。(久原昂也)