「時の記念日」の10日、「漏刻(ろうこく)」(水時計)を設置し時刻制度を日本で初めて定めたとされる天智天皇を祭る近江神宮(大津市神宮町)で、恒例の漏刻祭が開かれた。時折激しい雨が降る中、時計業界の関係者ら約250人が参列し、時計を奉納するなどして業界の繁栄を願った。

漏刻は水の流れを利用して定刻に鐘を鳴らす仕組み。同神宮によると、671年に天智天皇が近江大津京に漏刻を設置した日が太陽暦の6月10日に当たることから、大正9年に「時の記念日」に制定された。

前日に近畿地方が梅雨入りし、この日は朝から豪雨予報が発令。激しい雨が降りしきる中、当時の王朝装束を着た采女(うねめ)と呼ばれる女官や漏刻を管理する役職「漏刻博士」らに扮(ふん)した関係者が掛け時計や腕時計などを奉納した。

また、多くの参列者の目前で、女人舞楽(にょにんのぶがく)「原笙会(はらしょうかい)」(兵庫県芦屋市)が舞楽を奉納。今年のえとの巳年(みどし)にちなんだ約14分間に及ぶ曲「還城楽(げんじょうらく)」の優雅でかつ豪快な舞に参列者は魅了されていた。

采女役を務める孫娘の晴れ舞台を見に来ていた大津市の主婦(75)は、「一度、漏刻祭に参列したいと思っていた。大雨だったが、いい思い出になる」と話していた。

JAレーク滋賀が主催するウオーキングクラブのメンバー約40人で参列していた守山市の主婦(74)は、「漏刻祭に合わせて大津駅から歩いてきた。あいにくの雨だったが、なかなか経験できないことで、ありがたい」と古代絵巻のような行事に見入っていた。