表参道ヒルズに花魁(おいらん)あらわる−。

 米ミュージシャン、レディー・ガガ愛用の「ヒールレスシューズ」で知られるアーティスト、舘鼻則孝(32)の個展「リ・シンク展」が表参道ヒルズ(東京都渋谷区)の「スペース オー」で開かれている。

 今から7年前、東京芸大の卒業制作として舘鼻が発表したヒールのない靴−ヒールレスシューズは、江戸時代の遊女が履く高下駄から着想したもの。在学中は染織を専攻し、友禅染など伝統工芸を学んでいた舘鼻は「自分の表現を模索する中で、日本のアバンギャルド、前衛表現として花魁とその文化に行き着いた」と振り返る。

 わびさびだけではない、アバンギャルドな日本の伝統文化を現代のファッションに落とし込んだヒールレスシューズは後に、レディー・ガガを介して世界に広まり、米メトロポリタン美術館や英ヴィクトリア&アルバート博物館などに所蔵されている。今回の個展では、舘鼻所蔵の美人画の浮世絵とともに、粋なしつらえの中で靴を披露。近年取り組んできたアート作品、パリで昨年公演した文楽の舞台美術なども展示している。

 会場では1日3回、花魁にまつわるショーも開催。美人画のように、花魁装束の女性が長い煙管を手にする姿は妖艶(ようえん)。しかし、吸っているのは日本たばこ産業(JT)の加熱式たばこ「プルーム・テック」というのが現代らしい。専用アクセサリーは舘鼻のデザインという。

 さらに「トラヤカフェ・あんスタンド」とのコラボレーションによる茶屋も会場内に特設。数量限定でかき氷、あんボーロを無料提供している。

 20日まで、入場無料。(黒沢綾子)