東京大空襲、広島と長崎への原爆投下、そして終戦の日…。戦争体験を孫の世代に伝えようと昭和63年から毎年発刊されてきた証言集。30年間に寄せられた声の総数は1万9367編、掲載は2384編に及ぶ。第30集には「伝承編」も含め計77編が収められた。

 国民学校で機銃掃射を浴びた恐怖、戦地での壮絶な飢餓…。実体験をまとめた「体験編」には、どの文章にも実際に見聞きした者だけが言える生々しい描写があふれている。「人間にとって最後のものは“飢え”である。人間が獣になる極限の状況だ」という体験者の声が重く心にのしかかる。(新風書房・1500円+税)