県内初の独立した建物の子供図書館として平成29年4月にオープンした石岡市若宮の「市立こども図書館本の森」で、近く入館者が10万人に達する。「図書館」にしてはちょっとにぎやかで、少々の私語ならおとがめなし。おおらかな雰囲気に誘われ、夏休み中も多くの子供たちが足を運んでいる。(篠崎理)

 「おーい、ここで勉強しようか」

 「私はゆっくりと童話を読みたいな」

 子供たちの元気な声が響く館内には、小学校高学年までを対象にした約4万冊の児童書があり、4人用や6人用のテーブル席、1人でくつろぐことのできるカウンター席、図書館主催の「お話会」にも使えるじゅうたん敷きの「おはなしの部屋」などが備わっている。

 こども図書館本の森を作ったのには理由があった。

 石岡市の市立中央図書館には子供専用のテーブルが一つしかない。しかも、その上が吹き抜けになっているため、他の利用者から「小さい子が騒いでうるさい」との声が寄せられていた。苦情に萎縮した子供たちの足が図書館から遠ざかってしまうケースもあり、独立した子供向けの図書館を設けることにした。

 こども図書館本の森の運営を担当する市立中央図書館の金子隆哉課長補佐は「屋外は暑いので、涼しさを求めるのがきっかけでもいい。多くの子供たちに来てほしい」と話し、こう続けた。

 「入館者10万人が多いか少ないかは分からないが、それだけの子供たちが本に親しんだことの意味は深い。友達同士の絆を強め、郷土愛を育ててほしい」

 利用していた小学4年生の女子児童(10)は「東京に住むいとこに『石岡には子供だけの図書館があるんだよ』と言ったら、驚いていた。友達と騒ぎながら本を読んだり一緒に勉強したりするのは楽しい」と声を弾ませた。