和歌山市の不正支出問題を公益通報した市職員の岩橋良浩さん=当時(28)=が令和2年に自殺したのは、市が安全配慮の義務を怠ったことが原因として、両親が12日、市に計約8800万円の賠償を求め和歌山地裁に提訴した。
訴状によると、岩橋さんは平成30年5月に配属された児童館で不正な補助金申請書の作成を指示されたことを苦に休職、同年8月に公益通報した。市は令和2年2月、当時の担当者ら十数人を処分。岩橋さんは同年4月の異動で、処分された職員と同じフロア(別の課)で勤務することになった。その後の同年6月、自宅で自殺しているのが見つかった。
公益通報後に岩橋さんへの保護措置を一切行わなかったことや、処分された職員と同じ部屋に配置されたことで精神疾患を発症したなど、安全配慮義務に違反するとしている。
提訴後、遺族や支援団体らが同市内で記者会見した。岩城穣弁護士は「公益通報後に不利益がないように全力で守るというメッセージを伝える必要があったが、行われていなかった」などと指摘。母親の啓子さん(64)は「息子は不正があった市役所を変えたかったのだと思う。市が問題と向き合うよう、息子の遺志を継ぎたい」と話した。
尾花正啓市長は「訴状が届いていないため、現時点でコメントは差し控える」とした。


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