ワシントン条約で取引が規制されている象牙を無登録のまま取引したとして、警視庁生活環境課は20日、種の保存法違反容疑で、東京・上野の古物商「ラフテル」社長の男(35)や従業員、顧客ら計27人と、法人としての同社を書類送検した。同社は顧客に「登録事務は代行する」と持ちかけて象牙を集めていた。同課は事務を代行することで無登録の象牙を合法的に流通させ、利益を得ていたとみて調べている。

 象牙取引をめぐっては、諸外国で国内市場の閉鎖が進む一方、日本は規制前に多くの加工品が流通していたことなどから容認。だが、環境省の登録機関が現物確認せずに手続きを行うなど制度の不備が指摘されていた。今回の摘発で違法取引の実態が改めて浮き彫りになり、国際的な批判を浴びる恐れがある。

 象牙の登録は一般財団法人自然環境研究センター(自然研、東京)が受け付けている。社長は調べに「自然研の担当者に登録を代行してもいいといわれた。4、5年前から400〜500本引き取った」と説明。自然研担当者は「代行には気付いていたが、書類が整っていれば通していた」と話した。実際に書類の体裁は整っていたが、象牙の入手経緯など内容に虚偽があるものが多く、不正な登録が常態化していたとみられる。

 書類送検容疑は平成27年12月から昨年2月、顧客らから無登録の象牙計18本を計355万5000円で引き取ったとしている。