大阪を訪問中の台湾南部・台南市の頼清徳(らい・せいとく)市長は10日、産経新聞の取材に応じ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「台湾は参加すべきだ」と述べ、日本と台湾による個別の自由貿易協定(FTA)を締結すべきだとの考えを示した。台湾では次期総統選で頼氏の出馬を期待する声があり、その動向が注目されている。

 頼氏は、台湾において経済成長が重要課題であることを指摘した上で「台湾はTPPのような自由貿易の協定に加盟すべきだ」と述べ、経済自由化を重視する姿勢を示した。

 米国が離脱した現在のTPPの枠組みに関し「実質的なリーダーは日本だ」と話し、「台湾のTPP参加への協力をお願いしたい」と語った。また「TPP参加と同時に日本とのFTAを結びたい」とも訴えた。

 中国との経済関係に関しては「経済の視点から見ると、台湾の経済発展の状況は中国よりも日本の方が近い」と指摘。「人工知能(AI)技術など次世代産業で日台が協力して発展すべきだ」と述べた。

 また、台南市の空港と関西国際空港を結ぶ直行便を生かし「産業、観光、スポーツ、文化など幅広い分野で交流を促進したい」とも語った。産業では、台南市に太陽光システムや半導体など高い技術力を持つ企業の拠点があることから、日本企業と連携して「高品質の製品を世界に販売できる」と訴えた。

 自身の次期総統選への出馬に関しては、同じ民主進歩党の「蔡英文総統のリーダーシップにより改革を進めて台湾がもっと発展できるよう協力する」と述べるにとどめた。今後の取り組みに関しては、日台間の協力強化を進め、「アジアの安全と発展に尽力する」と語った。(坂本一之)