兵庫県三木市で、農作物などを荒らす「特定外来生物」に指定されているアライグマの平成29年度の捕獲数が1292頭で過去最多になったことが分かった。捕獲地域は市内のほぼ全域にわたり、住宅街にも出没している。市は箱わなによる駆除を進めるが、繁殖力に追い付いていないのが実情だ。

 北米原産のアライグマは、アニメの主人公になったことから1970年代に大量輸入されたが、性格が凶暴のため遺棄されたり、飼い主から逃亡して国内各地で野生化した。

 三木市では平成10年ごろから出没するようになったという。一度に4〜5頭を産むなど繁殖力が高く、国内では天敵がいないため急速に生息範囲を拡大。18年度に350頭だった捕獲数は28年度に1030頭に増えている。

 4〜6月に出産するため、捕獲は春から夏にかけてが最も多い。ただ近年は暖冬傾向で出没が早まり、今年は2月に56頭、3月に88頭を捕獲した。

 雑食性でイチゴやスイカ、トウモロコシなどを食い荒らし、農作物の被害額は約1千万円に上る。民家の屋根裏に住み着き、ふんや尿による被害も発生している。

 市は28年度に鳥獣被害防止計画を改訂。31年度の捕獲目標を1250頭としていたが、すでに上回った。夜行性のため日中は人目に付かず、担当者は「市内にどれだけ生息しているのか実態がつかめない」と困惑する。

 市はこれまでに約3千個の箱わなを購入。市民に無償で貸し出して駆除を続けている。市は「今年度も新たに購入する。繁殖に追いついていないが、地道にわなを仕掛けるしかない」と話している。