愛媛県を拠点に活動するアイドルグループに所属していた少女が自殺したのは、所属事務所のパワハラや過重労働が原因として、遺族が事務所側に計約9200万円の損害賠償を求める訴えを12日に松山地裁に起こすことが分かった。

 少女は松山市の大本萌景(ほのか)さん=当時(16)。平成27年から農業の魅力を伝えるご当地アイドル「愛(え)の葉(は)Girls」メンバーで、リーダーだった今年3月、自宅で自殺しているのが見つかった。

 弁護団によると、グループの拘束時間は早朝から未明にわたる日もあり、学業との両立に悩んだ大本さんが、所属会社の「hプロジェクト」に脱退の意向を伝えると、スタッフからLINE(ライン)で「次また寝ぼけたことを言い出したらブン殴る」などのメッセージが送られたという。

 また、社長が学費を貸すと約束したため通信制高校から全日制を受験し転学することを決めていたのに、合格後の今年3月20日に貸し付けを撤回された上、社長に「(グループを)辞めるなら1億円払え」と告げられたという。大本さんは翌21日に自殺した。

 弁護側は「パワハラや労働環境、社長の裏切りで、精神的に追い詰められた」と主張している。

 11日に東京都内で記者会見した母親の幸栄(ゆきえ)さん(42)は「社長には娘にどんなことを言ってきたか説明してほしい」。姉の可穂(かほ)さん(19)は「何が萌景を追い込んだのか真実を知りたい」と語った。

 社長は11日、取材に「追い詰めていたとは感じていない。これまでもあったことを伝えてきたし、これからもそうするつもりだ」と話した。