東京都は30日、新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制を評価するための新たな指標を公表した。感染経路不明の人数や増加比、入院患者数など7項目となり、従来設けていた「東京アラート」、休業再要請の目安となる具体的な数値は設定していない。都は専門家の分析を得ながら評価を実施し、状況に応じて都民に対する不要不急の外出自粛の協力呼びかけなどの対応を検討していく。

 都は従来、「ロードマップ」に基づき休業要請の段階的な緩和を進める上で、感染者数に着目した指標を設定していた。今回は感染第2波に備えて、現在は確保されている医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しないよう注視することに重きを置いて指標の内容を決めた。7月1日からの試行を経て、早期に本格実施する方針。

 新たな指標は、新規感染者数(7日間平均)▽東京消防庁救急相談センターへの発熱など相談件数(同)▽感染経路不明者の数や増加比(同)▽PCR・抗原検査の陽性率(同)▽20分以上搬送先が決まらないなど救急搬送が難航した件数(同)▽入院患者数▽重症患者数−の7項目。4項目が医療提供体制関連と位置付けられている。

 医師や感染症の専門家が週に1回程度、前週の状況や緊急事態宣言下での最大値などと比較。地域や業種などの感染状況も踏まえ分析を実施する。都は分析結果をもとにモニタリング会議で現状を評価し、必要に応じて対応を検討する。

 注意喚起が必要な場合は東京アラート発動の形はとらず、感染状況などを分かりやすく情報発信。「緊急事態の一歩手前の状況」(都担当者)で不要不急の外出自粛の協力呼びかけが行われる可能性もある。

 小池百合子知事はこの日夜の記者会見で休業再要請の可能性を問われ、「それを都民、事業者の協力で避けたい。感染拡大防止、経済社会活動の両立を目指す」と述べた。

 記者会見に先立ち、小池氏は政府のコロナ対策を担う西村康稔経済再生担当相と会談。夜の繁華街関連の感染者が目立っている都内の現状について意見交換し、国の支援をさらに強化するよう要望した。

 都は従来、7日間平均の新規感染者数、感染経路不明者の割合と週単位の感染者増加比の3項目で休業再要請、東京アラートの目安となる数値を設定。6月11日の東京アラート解除後、指標見直しを進めてきた。