15日告示された和歌山県知事選は、共産党新人で党県副委員長の松坂美知子氏(68)と無所属新人で与野党が相乗りで推薦する元副知事の宮崎泉氏(66)の一騎打ちとなった。県内の選挙を巡っては、これまで自民党重鎮だった元幹事長の二階俊博氏と前参院幹事長の世耕弘成氏(離党)の対立が表面化するケースが目立ったが、岸本周平前知事の死去を受けた今回の選挙では協調路線を見せている。

15日朝、和歌山市内で行われた宮崎氏の第一声で、世耕氏は「宮崎さんは岸本さんが信頼されていた右腕。安心してお任せできると思う」などと激励。二階氏の三男で、自民県連副会長を務める伸康氏も姿を見せた。

さかのぼること約2年半前、岸本氏が初当選した令和4年11月の前回知事選。与野党相乗りでの圧勝となったが、今回とは様相を異にしていた。

国民民主党の衆院議員だった岸本氏が半年前に立候補表明した際、すでに二階氏の支援をとりつけていたとされる。一方、世耕氏は、自民候補として地元出身の男性官僚の擁立へ動き、自民県連もいったん決定。だが、二階氏の意向が働くとされる県町村会(県内全21町村長で構成)が岸本氏の推薦を決めると、県連内で岸本氏推薦の流れが強まり、世耕氏は擁立を断念した。

世耕氏は昨年10月の衆院選で巻き返す。自民の派閥パーティー収入不記載事件の責任を取った二階氏が和歌山2区に立候補せず、伸康氏が後継となった。同事件で離党した世耕氏は、参院からくら替えして無所属で同選挙区に立候補すると、伸康氏を大差で退けた。

今夏の参院選は、再び保守分裂選挙の様相となっている。伸康氏は、世耕氏に近い元有田市長の望月良男氏と自民公認を争い、2月の県連役員投票で勝って公認に決定。一方の望月氏は無所属での出馬を表明した。

今回の知事選は参院選を前に「一時休戦」の状況だ。自民内で何人か名前は挙がったものの、中立的な宮崎氏でまとまりかけると、二階氏側、世耕氏側ともおおむね了承したとされる。自民県連が宮崎氏擁立を決めた4月の役員会後、石田真敏会長(元総務相)は「保守が団結して、党がまとまっていく」と結束したことを強調した。