10日の衆院予算委員会では、国民民主党の玉木雄一郎代表が主要野党の統一会派のトップバッターとして質疑に立った。玉木氏は、統一会派を組む立憲民主党の枝野幸男代表が7日の衆院本会議で代表質問に立った代わりに、国会質疑の花形とされる予算委で存在感を示した。玉木氏は改憲に慎重な立民と、積極的な自民党の双方を牽制するかのように、改憲論議に前向きな姿勢を強調した。

 「9条(に自衛隊を明記する自民党の)改正案はいったん取り下げないか。9条は与野党にさまざまな思いがあり、取り下げることが審議促進になる」

 玉木氏は予算委で、安倍晋三首相(自民党総裁)にこう提案した。憲法改正の手続きを定めた国民投票法改正案に、外国人の関与を避けるため献金規制を盛り込むべきだとも主張。憲法改正に関して「首相のやる気がだんだんなくなっているのか」と、たきつけるような場面もあった。

 玉木氏は質疑後の記者会見で「憲法の議論は繰り返し申し上げているように積極的にやっていきたい」と強調。枝野氏が7日の代表質問で、憲法に深く踏み込まなかったのとは対照的な姿勢を示した。

 国民をめぐっては、亀井静香元金融担当相が、今年夏頃に自民党との大連立構想が持ち上がっていたと言及している。玉木氏も10日の会見で「いろいろなことが当時(あった)。常に政治は一寸先は闇であり光だ」と述べ、否定はしなかった。

 改憲勢力を多く取り込みたい自民党にとって、国民は軽視できない存在だ。自民党ベテランは「キャスチングボートを握る可能性もある」と話す。

 ただし、玉木氏は、改憲議論に消極的な立民を説得してまで、国会の憲法審査会で本格的な論戦を始めるような姿勢は見せない。今後は大見えを切った言葉の実行力が問われる。(中村智隆)