昭和37年のオープン以来、数多くの格闘技の名勝負が繰り広げられた後楽園ホール(東京都文京区)で9月8日、ボクシングの第2回ジュニア・チャンピオンズリーグ全国大会U−12(12歳以下)の47・5キロ級決勝に東日本代表として出場。西日本代表の選手に1ラウンド51秒のTKO勝ちで優勝を決めた。

 「勝てる自信はあったけど、ジムの仲間や家族、みんなの応援が力になった。感謝しています」と少し顔をほころばせた。

 昨年の第1回大会では45・0キロ級で優勝。一昨年は、同大会の前身となる第10回U−15(15歳以下)ボクシング全国大会小学生の部35・0キロ級で準優勝。すでに全国の小学生ボクサーの間では名の知られた選手だ。元プロボクサーで現在はトレーナーを務める野田市の野田スターボクシングジムの入江司会長も「身体能力もすごいが、素直な子で練習で習ったことをすぐに吸収して自分のものにしてしまう」と成長著しいまな弟子を高く評価する。

 左ジャブを放ちながら前に出て相手にプレッシャーをかけ、ロープ際に追い込んでからは持ち味の破壊力抜群の右ストレートと右フックで仕留めるオーソドックスなファイタータイプ。9月の試合でもダウンを先取し、その後も的確な強力なパンチを決め、早々に試合を決めた。

 ジムへの入会は小学1年生のとき、入会者募集のチラシを自宅でみたのがきっかけ。以来、週3日程度ジムに通って、2時間ほどサンドバッグやミットを打ちこむトレーニングやスパーリングで汗を流すほか、ジムに行かない日は放課後に筋力トレーニングや走り込みを欠かさない。成長期のため、試合前の減量が大きな課題だが「普段は肉が大好きだけど、家では野菜を多めに食べたり、給食の量をセーブしています」と明かす。しっかり身体をつくって、集中して試合に臨むことができるのが強さの秘(ひ)訣(けつ)となっている。

 激しい練習や試合にも弱音を吐かず、特に辞めたいと思ったことは一度もないという。「試合での対戦相手との駆け引きやジムでボクシングの練習をするのが何より楽しい」とボクシングの醍(だい)醐(ご)味(み)を熱く語る。

 練習や試合では真剣な表情をみせるが、練習の合間の休憩時間などは、ジムの仲間たちと談笑するなどごく普通の小学生らしい面もみせる。

 あこがれるのは、世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級統一王者で11月7日にワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の同級優勝を果たした井上尚弥選手。自身も同じ右利きのファイタータイプのボクサーで「プロになって、見ている人が楽しめる試合をして、世界チャンピオンになりたい」と意気込みをみせる。

 小1のとき偶然目にしたボクシングジムのチラシでボクシングと出合い、大きく変わった人生。プロボクサーになり、世界チャンピオンになるという将来の大きな夢に向けて、日々のトレーニングを欠かさず、着実に歩みを進める。

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 いしかわ・かける 平成19年、埼玉県春日部市出身。さいたま市在住。小学校1年生で野田スターボクシングジム(野田市)に入会。一発で試合を決める強力な右ストレートと右フックが持ち味のファイタータイプのボクサー。第2回ジュニア・チャンピオンズリーグ全国大会U−12(12歳以下)47・5キロ級優勝。(永田岳彦、写真も)