巨人2−0楽天(7日)

「ミスター」はほほ笑んでいた。1−0の六回2死。増田陸のソロで先制した巨人はすかさず代打・丸を送り込んだ。「強く振れる球だけを待っていた」という丸は藤平の2球目、直球を右中間席へ。3日に死去した元監督、長嶋茂雄さんが広告塔を務める「セコム」の看板近くに、今季1号を突き刺した。

オープン戦で右太ももを故障し、5月27日に1軍復帰した。岡本や坂本を欠く打線は湿り、今季ワーストの5連敗中。「情けない試合が続いていた。点が入らない現状を打開したいと思っていた」という36歳が、苦しむチームに交流戦初勝利をもたらした。

ショックは隠せなかった。長嶋さんの〝ラブレター〟で巨人入りを決め、不振で2軍落ちした2021年は直接指導も受けた。追悼番組で当時の映像を見て、ここ数日は教わったことを反芻(はんすう)したという。「本当に少しは、いい報告ができるんじゃないかな」と胸をなでおろした。

訃報から4試合目。やっと手向けの1勝を届け、感情の起伏が少ない阿部監督も「ほっとしちゃいけないんだけど…。これをいいステップにしていければ」と息をついた。秋、歓喜の報告をするため、踏ん張りどころは続く。(川峯千尋)