大相撲初場所5日目は14日、両国国技館で行われ、正代は宝富士を寄り切り、4勝目を挙げた。

 正代は取組後、顔をしかめて、首を少し横に振った。宝富士に途中で寄られる場面があり「危なかった」と肝を冷やしたという。それでも冷静に苦境を打開し、4勝目。「とりあえず勝てているからいいかな」と苦笑いを浮かべた。

 立ち合いはすっと左を差して、左四つになった。動きながら右から投げを打つも、これがすっぽ抜け。宝富士を呼び込む形になった。ただ、ここからが落ち着いていた。左からすくって相手の体勢を崩し、最後は一気に寄り切った。

 苦しい体勢でも白星を拾うのがこの人の魅力。兄弟子でもある井筒親方(元関脇豊ノ島)は「相撲は不細工でも、足の運びとか天才的。体の開きや思い切りのよさとか。誰にでもできるものじゃない」。この日の相撲も“不細工”ではあったが、持ち味の粘りを発揮して勝ち切った。

 大関2場所目。新大関として臨んだ先場所は「今まで以上に負けられない思いが強かった」と気負いがあったという。その硬さが災いし、3日目の高安戦で左足首を負傷。途中休場を余儀なくされる、ほろ苦い大関デビューとなった。

 今場所は一転、落ち着いて相撲を取れている。「慣れかわからないけど、緊張しても取り切ることを考えている。自分の中では上々」と手応え十分だ。

 全勝は平幕のみで大関では自身の1敗がトップ。立場を考えると、優勝争いの軸にならないといけない。「白星を重ねていって最後まで(優勝を)争いたい」。口ぶりに自信を漂わせた。(浜田慎太郎)