球技の国内リーグでプロ化を目指す動きが盛んだ。バレーボールのVリーグは来秋、スーパーリーグとして新たにスタートする。卓球もTリーグを発足させる予定。どちらも参加する実業団との兼ね合いで一気にプロだけの構成とはならず、まずは実業団との混合で開幕する。創設2年目のシーズンを迎える男子プロバスケットボールのBリーグを含め、続々と新リーグ構想が表面化する背景には、2020年東京五輪を機に競技の普及と強化を推し進めたい思惑がある。(大宮健司)

来秋、続々と新リーグ 

 Vリーグを運営する日本バレーボールリーグ機構は5月、新リーグの概要を発表した。Vリーグ全チームが参加の意向を示しているといい、1部リーグのチーム数は男女とも現在の8から男子10、女子12に増える。開催方式も従来の全国各地を巡業のように転戦する方式をやめ、各チームの本拠地で試合を開催する「ホーム・アンド・アウェー方式」に変更する。同機構の嶋岡健治会長は記者会見で「バレーを日本のトップアリーナスポーツにする」と意気込んだ。

 卓球も来秋に開幕予定のTリーグの運営法人を、4月に設立した。Tリーグは男女4〜6チーム、6人による団体戦で年間20試合ずつ行う予定。世界ランキングの上位選手を海外から招くプランもあり、現在の日本リーグに所属する実業団や新規参入のプロチームで構成する。将来的には地域密着型のプロチームを増やし、昇降格のあるピラミッド型のリーグにする。

 プロアマの違いは覚悟 

 五輪での活躍などで日本代表が脚光を浴びてきたバレーと卓球だが、国内リーグは人気低迷に悩んできた。背景には、実業団中心のアマチュアリーグとして存続してきた歴史がある。

 実業団にはプロ契約選手もいるが、多くは親会社の社員。実業団での経験を持つバスケのプロ選手は「社業優先で練習に来られない選手も珍しくない。代表クラスの選手でも、30歳を過ぎると会社から社業専念を迫られるチームもある」と話す。一方で、社員だと安定した雇用が将来にわたって保障されることから「引退後を考えると、実業団からプロにはなかなか移籍できない」(同選手)という。

 現役時代に実業団から日本初のプロ卓球選手に転身したTリーグ理事の松下浩二氏は「プロは競技に命をかけている分、覚悟がある。アマとは同じ練習でも力の入れ具合が違った」と話す。個人競技の卓球では、トップ選手がプロリーグのある海外を目指す流れができており、「日本にもプロとして活動できる環境が必要」と強調する。

普及にはプロが必要か 

 プロ化で人気獲得に成功したのがBリーグだ。1年目の昨季、1部(B1)2部(B2)を合わせた総観客数は約226万人。前年のナショナルリーグ(NBL)、bjリーグ分裂時代から約1・4倍増となった。

 B1にはNBL出身の実業団5チームが参加しているが、加盟条件に運営会社が独立した会社となることに加え、観客数や事業規模にも一定の基準を設けたため、各チームが真剣に集客、収入増に取り組んだ。大河正明チェアマンは「無料招待券のばらまきが減り、チケット単価も上がっている。各チームのベース(基礎体力)は向上している」と手応えを語る。

 一方で、バレーと卓球はプロ化に難色を示す実業団に配慮し、新リーグ開幕当初はプロとアマの混成を認める方針。開幕を急ぐ背景には、東京五輪を控えてスポーツへの関心が高まる中、船に乗り遅れたくない−との意図がうかがえる。新リーグ誕生を競技の活性化につなげられるか、手腕が問われる。