国際サッカー連盟(FIFA)が13日、2026年W杯開催地を米国、カナダ、メキシコの3カ国共催としたことは、今後のモデルになる可能性がある。26年大会からは出場チームが現行の32から48に拡大。インフラ整備を含む巨額の大会負担を数カ国で分け合う開催方式が主流になるとの見方が強まっている。(佐々木正明)

 ブラッター前会長が辞任に追い込まれた一連の汚職事件でFIFAの信用は失墜した。新規スポンサー獲得は困難。事件の法的費用も膨らみ、15年から3年連続で数百億円規模の赤字に陥った。W杯は多額の放送権収入が得られる。中国など出場経験の少ない国へ門戸を広げれば収入増が見込まれ、再建を目指すFIFAには好都合だった。

 出場チーム数が16チーム増えることで試合数は現行の64から80に増加する。一方で、施設やインフラ整備への巨額の負担は開催国に重くのしかかり、大会後に閑古鳥が鳴くスタジアムの「負の遺産」問題もこれまでの開催都市を苦しめてきた。その意味で、既存のスタジアムを有効活用し、開催リスクを低減する北中米の3カ国共催プランは理想的と言える。

 FIFAのインファンティノ会長は、前職の欧州サッカー連盟(UEFA)事務局長時代にサッカー欧州選手権の共催を進めてきた立役者だ。12年欧州選手権のポーランド・ウクライナ共催は歴史的な背景で交流が進まなかった両国の距離を縮める効果ももたらした。20年の欧州選手権は10を超える国による共催が決まっており、インファンテノ体制の下、W杯も分散型が進むとみられている。

 英BBCは22年大会が開催される中東カタールも隣国との共催型に変更する「兆候がある」と指摘し、今回のロシア大会が「1カ国の単独開催の最後のW杯になるかもしれない」と報じている。