オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した西勇輝投手(28)の阪神移籍が確実であることが6日、関係者への取材で分かった。阪神がFA補強に成功するのは、2016年オフにオリックスからFA権を行使した糸井嘉男外野手(37)以来。

 今季17年ぶりの最下位に低迷した阪神は先発投手陣の強化も課題の一つで、FA補強では通算74勝の西に一本化。獲得にはソフトバンクも動き、阪神の提示額を超える大型契約を提示。オリックスも複数年契約を提示し残留を要請していた。

 西は三重・菰野(こもの)高から09年にドラフト3位でオリックス入団。12年10月のソフトバンク戦で無安打無得点試合を達成した。今季は初めて開幕投手を務め、10勝13敗、防御率3・60だった。通算成績は209試合、74勝65敗1セーブ、防御率3・30。

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 矢野新監督の下、最下位からの再建を図る阪神にとって、通算74勝を誇る西を獲得する意義は大きい。

 今季のチーム防御率は4・03でリーグ2位。2年目の才木が6勝を挙げるなど、若手に成長も見られ、投手陣が奮闘を見せたことは間違いない。

 しかし、谷本球団本部長が「先発ローテーションで苦しんだ」と振り返るように、先発投手で2桁勝利を挙げたのは11勝(7敗)のメッセンジャーのみ。終盤にコンディション不良で一時離脱するなど不安も抱え、来季で38歳になる。藤浪や秋山、岩貞も不安定で、一定の勝ち星を計算するのは難しい。先発の駒不足は否めなかった。

 オリックスで先発ローテーションを長年担ってきた西は、今季を含めて2桁勝利を5度マーク。ほぼ安定してゲームを作り続けてきた。阪神は先発投手の評価基準となるクオリティースタート(6回以上で自責点3以下)の達成率も高評価しており、「計算できる投手」の獲得は伸び盛りの小野や才木らにとってもいい手本だろう。

 28歳の右腕が新しい柱となれば、再起への大きな一歩となる。(吉原知也)