三毛猫の体毛のうち黒と茶(オレンジ)の毛色を決める遺伝子を、九州大などの研究チームが世界で初めて特定し、16日に米専門誌で発表した。白い毛の遺伝子は既に判明しており、3色全てが特定された。黒と茶の遺伝子は、性別決定に関わるX染色体に存在すると推定されていたが、具体的な遺伝子は長年にわたって不明だった。
多様な毛色の猫85匹のDNAを解析し比較。茶色の毛を含む三毛猫やさび猫、茶トラから、X染色体の「ARHGAP36」と呼ばれる遺伝子に、遺伝情報を伝える塩基という物質が約5000個欠失する変異を発見し、毛色決定の鍵と突き止めた。
哺乳類の性染色体は、雄はXY、雌はXXの組み合わせだ。雌は同じX染色体が2本のため、遺伝子の働きが過剰になるのを防ぐ仕組みがある。遺伝子の働きを後天的に調整するエピジェネティクスという現象で、体の場所により、ランダムに1本の性染色体だけが機能するよう制限される。
チームが解析を進めた結果、X染色体が欠失型と正常型の1本ずつある雌猫の体では、機能するX染色体が欠失型の場所で茶の毛が、正常型の場所で黒の毛が生えることが分かった。三毛猫に黒や茶の毛がまだら状に生えるのはこのせいだ。
雄はX染色体が1本のため黒と茶の両方の毛が生えることはなく、特殊な遺伝子変異の場合を除き通常は三毛猫にならない。白い毛の遺伝子は、性染色体とは別の部分にある。
今回の成果は、三毛猫の毛色が決まる仕組みを初めて分子レベルで解明した。チームは今後、この遺伝子の毛色制御の仕組みや、欠失の起源などの解明を進める方針だ。


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