【ニューヨーク=平田雄介】中米エルサルバドルの国会は8日、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインを法定通貨として採用する法案を賛成多数で可決した。ビットコインが法定通貨として採用されるのは世界で初めて。90日後に法制化され、企業の商品やサービスへの支払い、納税に利用できるようになる。

米ドルも法定通貨として存続する。政府はエルサルバドル開発銀行に設けた信託を通じてビットコイン取引時のドルとの兌換(だかん)性を保障する。ビットコインとドルの為替レートは金融市場で決まるとした。

ビットコインは送金が容易なのが特徴。一方で、エルサルバドルでは国民の約7割が銀行口座を持っていない。治安の悪化や貧困が原因で米国への移民を目指す人が多く、ブケレ大統領は「海外に住む国民が自国に送金する際にビットコインが役立つ」と強調した。

世界銀行によると、同国の外国からの送金額は国内総生産(GDP)の約2割を占める。法制化により全ての事業者はビットコインでの支払いを受け入れる必要がある。個人の使用は任意とされ、ブケレ氏は「利用者にリスクをもたらすことはない」と説明した。