【北京=三塚聖平】中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は1日、台湾周辺で軍事演習を始めた。中国側は、統一を拒む台湾の民主進歩党政権への反発を強めている。台湾側を揺さぶるため軍事的な圧力を増しており、軍事演習についても「常態化」を強調した。

「国家の主権と統一を守る正当で必要な行動だ」

東部戦区の施毅報道官は1日朝に発表した談話で、同日開始した軍事演習についてこう強調した。

中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発して大規模軍事演習に踏み切って以降、台湾周辺で演習を頻繁に行うようになった。中国による統一を拒否する民進党政権に対する反発を強めているためだ。

中国側は、台湾の頼清徳総統が3月13日の記者会見で中国を「境外敵対勢力」に該当すると言明したことに強く反発している。東部戦区は今回の演習に合わせ、交流サイト(SNS)で頼氏を「寄生虫」の姿に描いて「(台湾の)究極の破壊を招こうとしている」などと揶揄するイラストや動画を公表した。

中国側の統一攻勢を拒む民進党政権に対し、軍事的な圧力を常態化させる姿勢を鮮明にしている。

中国軍は台湾周辺での軍事演習に関して、昨年5月は「連合利剣―2024A」、昨年10月は「連合利剣―2024B」と名付けていた。今回は演習名は発表されていない。これについて中国軍に属する国防大学の張弛教授は「演習が既に常態化し、中国軍にとっては日常茶飯事になった」として演習名が命名されなかったとの見方を中国メディアに示した。

海上警備を担う中国海警局(海警)も1日、台湾周辺で演習を実施したと発表した。海警は「一つの中国原則に基づき台湾島を法的に管制する実際の行動だ」と主張し、軍と歩調を合わせて台湾への圧力を強めている。