【北京=三塚聖平】中国政府がハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)の統制を強化している。今月上旬に7種類のレアアースを輸出規制の対象に入れ、14日までに輸出が凍結状態になったもようだ。対中圧力を増すトランプ米政権への報復措置の一環とみられる。

ロイター通信は11日、中国からレアアース7種類の輸出が事実上停止したという複数の関係筋の情報を伝えた。中国の輸出業者が同国政府からいつ輸出許可を得られるかは不透明で、海外でレアアース不足のリスクが高まったという。

中国商務省は4日、レアアースの輸出規制措置を発表した。サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムのレアアースの7種類を対象に即日施行され、輸出には政府への許可申請が必要になった。米国のみが対象ではないが、対米追加関税の発動と合わせて発表されており、報復措置の一環との位置付けだ。

電気自動車(EV)に搭載する高性能磁石などに使うジスプロシウムをはじめレアアースは現代の産業に欠かせない戦略資源だ。米地質調査所(USGS)によると、中国は2024年に世界全体のレアアース生産量の約7割を占めた。中国は昨年10月に「レアアース管理条例」を施行し国家の管理を強化するなど、対立を深める米国もにらんで囲い込みを進めてきた。

中国政府は今後、追加関税以外の手段で米国に報復することを示唆しており、圧倒的な世界シェアを誇るレアアースなどを武器に使う考えとみられる。