英紙インディペンデント(電子版)は、G20首脳会議開催中の7日、同国のメイ首相が、米国との貿易関係強化を優先するあまり、トランプ米大統領が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したことに対して十分な批判と圧力を加えていない、とする社説を掲げた。

 今回の首脳会議で、議長国であるドイツのメルケル首相が温暖化対策を喫緊の課題として取り組む姿勢を示す中、パリ協定離脱を表明したトランプ氏に他の参加国がどれだけ一致して翻意を促せるかが焦点の一つだった、と指摘した。

 社説はその上で、「残念なのは、メイ氏が、トランプ氏に対抗しようとする国々のグループに参加することに非常に消極的なことだ」と述べる。

 メイ氏のこうした態度には理由がある。欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を控えた英国にとっては、離脱後を見据え、米国をはじめとする各国との貿易を強化することこそが最優先であり、現時点でトランプ氏との関係をこじらせるわけにはいかないからだ。その点については社説も、「(対米関係強化は)間違いなく英国の国益にかなう」としている。

 しかし社説は同時に、「呼吸するのに適した空気や飲用に耐える水、不安定化することのない地球」も同様に英国にとって死活的に重要だと強調。メイ氏は「最も親しい同盟国である米国に対して率直に、この地球を分かち合う国々(の声)に応えるよう」求めるべきだ、と注文をつけた。

 一方、英紙ガーディアン(電子版)は12日、米国への過度な配慮を続けるメイ氏を「沈みゆくトランプ氏に体を結びつけてしまっている」と揶揄(やゆ)した。

 G20でトランプ氏が、選挙で選ばれたわけでもない娘のイバンカさんを代理として自身の席に座らせる一幕があった際、メイ氏がそれを擁護したのは不適切だったと批判した。(大内清)