【ニューデリー=岩田智雄】アフガニスタンでは、イスラム原理主義勢力タリバンや、同じイスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」(IS)によるテロが頻発し、治安改善の道筋がまったく見えない状態が続いている。

 タリバンは2001年に米軍攻撃で政権を追われて以来、テロ攻撃を続けてきた。和平交渉開始には、米軍の完全撤収が必要だとの立場を崩していない。ISは15年、アフガンを含む一帯をISのホラサン州と宣言し、タリバンと対立しながら、アフガンで少数派のイスラム教シーア派住民などへのテロを強めている。

 国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)によれば、アフガンで昨年1年間に戦闘などにより死傷した市民の数は前年比3%増の1万1418人に上り、統計を取り始めた09年以降、最悪だった。過去、米軍機による誤爆も起きており、対テロ戦の困難さを露呈している。

 今年になっても、状況は変わらず、5月31日に首都カブールで起きたタリバンによるとみられる自爆テロでは、150人以上が死亡し、日本人2人を含む300人以上が負傷した。タリバン政権崩壊以降、首都での一度の攻撃による犠牲者数としては最悪となった。米軍率いる北大西洋条約機構(NATO)駐留部隊にも死者が出ている。

 米報告書によれば、昨年11月時点で、アフガン政府が支配・影響下に置いている地域は、全体の半分強の57・2%にとどまった。タリバンなどは支配・影響下の地域を拡大している。

 カブール大のジャファル・コヒスタニ教授は「これは国際テロとの戦いだ。アフガン治安部隊は外国部隊の強い支援を欲している。さらに多くの米軍、NATO軍が必要だ」と述べた。