【北京=西見由章】中国共産党中央対外連絡部は15日、習近平総書記(国家主席)の特使として宋濤部長が17日に北朝鮮を訪問すると発表した。10月に開催した党大会の状況を北朝鮮側に報告するためとしている。一方、中国側が北朝鮮に対して核・ミサイル開発の自制を求めると同時に、米朝対話に向けた道筋を模索する可能性もある。

 中国外務省の耿爽報道官は15日の記者会見で、宋氏の訪朝について「党大会後、相互に報告するのは朝鮮労働党など社会主義国の政党と長年続けてきた慣例だ」と述べ、主な目的は党大会に関する説明だとしつつ、「両党は両国関係など共通の関心事項について意見を交換するだろう」と語った。

 中国は2007年と12年の党大会後も社会主義国の北朝鮮などに特使を派遣。今回の党大会後も宋氏がベトナムとラオスを訪問したが、北朝鮮には派遣していなかった。今月8〜10日に訪中したトランプ米大統領との北朝鮮問題に関する協議を踏まえたタイミングで、特使の訪朝を決めた可能性もある。

 政府系シンクタンク、中国現代国際関係研究院の袁鵬副院長は15日、内外メディア向けの記者会見で、対日本や韓国、北朝鮮など北東アジア地域での中国外交がこれまで停滞していたと認めつつ、党大会後はベトナム中部ダナンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて日韓両国と首脳会談を開くなど「重大な新状況が生まれた」と指摘した。

 袁氏は宋氏の訪朝についても「中朝関係が良い方向に向かうシグナルだ」と言及。「どこまで発展するかは見てみなければわからないが、中朝関係は正しい道に戻さなければならない」と強調した。