【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は10日、スイスで1月22日に開幕する世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に関し、メキシコ国境での壁建設をめぐる問題で「民主党が頑なな態度を崩さないため、出席を取りやめた」とツイッターで明らかにした。壁建設費の予算計上をめぐるトランプ氏と民主党の対立を原因とする連邦政府機関の一部閉鎖はこの日、20日目に入り、過去最長だった1995〜96年の21日に並ぶのは確実な情勢となった。

 トランプ氏は中止の理由について、民主党との対立に加え、「国家の安全は極めて重要であることを勘案した」としている。

 10日以上も先のダボス会議の欠席を決めたのは、トランプ氏が政府機関の閉鎖が長期化したとしても民主党と徹底的に対決していく姿勢を明確に打ち出すためとみられる。

 トランプ氏は10日、メキシコとの国境地帯にある南部テキサス州マッカレンを訪れ、国境警備要員から情勢報告を受けた。

 トランプ氏は現地で記者団に対し、同氏が「国家非常事態」を宣言する可能性が取り沙汰されていることに関し、「宣言はできるが、その必要はないはずだ。(国境問題が非常事態を迎えているのは)常識だからだ」と指摘した。

 仮に宣言した場合、民主党が「大統領の非常大権の乱用だ」として提訴するのが確実視されていることについては「訴えられても勝つ」と自信を示した。

 政府機関閉鎖の長期化で約80万人の政府職員への給与の遅配は深刻化しつつあり、ホワイトハウスや連邦議会議事堂の前ではこの日、連邦政府職員らが抗議デモを展開し、事態の早期収拾を訴えた。