世界各国のパビリオンぐらい驚いた。開幕から約1カ月後の5月13日の大阪・関西万博会場。ちょっとした人だかりの中に立っていたのは韓国ナショナルデーの関連イベントに出席していた兵庫県の斎藤元彦知事(47)だった。

「頑張ってください」

斎藤氏が名物の大屋根リングをバックに写真撮影に応じたり、笑顔で握手する姿はまるでタレントのよう。約10分間、聞こえてくるのは応援の声ばかりで批判の声はなかった。

斎藤氏は東大経済学部卒業後、総務省勤務を経て2021年に兵庫県知事に就任した。昨年9月にはパワハラやおねだりなどの疑惑が明らかになり、議会から不信任案を突きつけられて失職を選んだが、11月の出直し知事選で再選。一方で今年5月には弁護士で構成する第三者委員が斎藤氏の10件のパワハラ、内部告発文章をめぐる県の対応は公益通報者保護法に違反していると認定したが、斎藤氏は否定を続けている。

人気はホンモノか、それとも…。近くで見守っていた斎藤氏の側近に話を伺うと「声をかけていただくことはよくあります。時間があるときは応じています」と明かしてもらった。会場内は入場券が必要で〝仕込み〟の可能性は限りなく低いだろう。

近年は有名芸能人や政治家のスキャンダルがあると真偽不明のまま総攻撃を受ける。当然、斎藤氏の数々の疑惑が真実ならば問題であるが、〝プチ斎藤知事フィーバー〟を目の当たりにして兵庫県民が選挙で2度も選んだ知事であり、一定の支持があることも忘れてはいけないと感じた。(柏村翔)