アニメ「ルパン三世」の石川五ェ門役などで知られる声優で俳優、井上真樹夫(いのうえ・まきお、本名・孝夫=たかお)さんが持病の狭心症悪化のため、11月29日に死去したことが2日、分かった。80歳。所属事務所、青二プロダクションが公式サイトで発表した。葬儀・告別式は近親者のみで執り行う。1970年代のアニメブームで富山敬さん(享年56)、神谷明(73)と“声優御三家”として活躍。声優界をけん引した名優が天国へ旅立った。

 昭和、平成と時代を彩ってきたレジェンド声優が、11月30日の誕生日を前に、天国に召された。

 青二プロの公式サイトでは、「持病の狭心症悪化のため永眠いたしました」と報告。「生前、皆様から頂きました御厚誼に心より深謝いたします」と感謝を伝えた。

 同社によると、最後の声の仕事は今年2月、東映アニメーションの「おおさかシネマフェスティバルアニメカーニバル『銀河鉄道999』40周年企画 上映会イベント」用のコメント収録だった。

 井上さんは狭心症の持病を持っていた。ただ、入退院を繰り返したり、寝たきりの状態ではなく、体調をみながら仕事をこなしていた。先月4日に愛知県内で講演会を開催し、同10日には東京都内で行われた服飾ブランド「glamb」の展示会に来場。それだけに関係者は「突然の訃報で驚いた」と明かす。近日中に家族葬を執り行い、お別れ会は未定という。

 山梨県出身。16歳から役者の道を志し、テレビや舞台で活動したが、1959年の米ドラマ「ドビーの青春」で吹き替えに出演して以降、声優として活躍を広げた。

 二枚目の声を演じることが多く、初代の大塚周夫さんの後を継ぎ、77年から2010年まで約38年間、アニメ「ルパン三世」の石川五ェ門役を担当。ほかにもアニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」のハーロック役、「巨人の星」の花形満役、「男どアホウ甲子園」の藤村甲子園役、「銀河英雄伝説」のアンスバッハ役など多くの名作アニメで活躍し、声優界をけん引。70年代のアニメブームでは富山さん、神谷と“声優御三家”として人気を博した。

 今年4月には「ルパン三世」の原作者、モンキー・パンチさんが81歳で死去。井上さんはその際、「漫画・アニメ界の巨人の死は『巨星落つ』の感があります」とコメントを寄せていた。今頃は天国でパンチさんと、ルパン談義で花を咲かせているかもしれない。

井上真樹夫(いのうえ・まきお)

 1938(昭和13)年11月30日生まれ、山梨県出身。中学の時、移動劇団の「チルチルミチル」の観劇を機に役者の道へ。その後、声優として活躍し、アニメ「男どアホウ甲子園」の藤村甲子園役など多数。2013年のTBS系「安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜」、14年の同局系「家族狩り」など俳優としても活躍。NHK「海外ウィークリー」などのナレーションも務めた。