(セ・リーグ、阪神1−7DeNA、1回戦、DeNA1勝、1日、京セラ)1−4の八回、阪神・工藤(四国IL徳島)の名前がコールされると、場内は歓声とともに熱気を帯びる。これが3月に支配下登録された育成ドラフト1位のスター性なのか。敗戦ムードの京セラドームの空気を変えてみせた。
「前回は自分で首を絞めてしまった。四隅に狙わず、ゾーンで腕を振ることを意識した結果、抑えられたので良かった」
まず対峙したのは2017、23年首位打者の宮崎。初球、157キロ直球で球場をどよめかせると、もう1球続けて力のない右飛に打ち取る。続く佐野に対しては、プロ入り後最速タイとなる158キロ直球でバットを粉砕。首位打者、最多安打を獲得した好打者を三邪飛に仕留めた。山本はスライダーで見逃し三振に斬って、DeNA打線の主軸を三者凡退にピシャリと抑えた。
苦いデビューのリベンジを果たした。3月29日の広島戦(マツダ)でプロ初登板するも、安打と3連続四球で押し出し。1回を投げ切れず、マウンドを後にした。中2日で巡ってきた2度目のチャンス。「リベンジしたい気持ちはあった」と意気込み、見事に抑え込んだ。
この日はホーム開幕セレモニーの一環で、レジェンドOB8人による「メモリアルピッチセレモニー」が開催。その中の1人、能見篤史氏から開幕前に「とんでもないボールを投げる」と注目投手に挙げられた。タイプは違うが尊敬するOB左腕からの言葉に「能見さんのように息の長い投手になるのが目標」と決意。始球式を目に焼き付け、「かっこいいな」と憧れを強くした。
工藤らしい投球を披露し、自信とともにプロでの一歩を踏み出した。プロでのキャリアはまだ始まったばかり。背番号24が、人々の心に刻まれるサクセスストーリーを描いていく。(萩原翔)


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