プロ野球は28日にセ・パ両リーグで計6試合が行われて開幕する。中心選手がシーズンへの思いを語る企画「柱の決意」の最終回は、ヤクルト・奥川恭伸投手(23)。プロ6年目で自身初の開幕投手(巨人戦、東京ドーム)を任された右腕が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。今季はチームスローガン「捲土(けんど)重来」のもと、「このままではここで野球人生が終わってしまうかもしれない」と並々ならぬ覚悟を持って完全復活を目指す。
いよいよ、2025年のシーズンが始まります。今年でプロ6年目。今は「やらなきゃいけない」という思いが強いです。プロに入りたてのときは「やってやるぞ」という思いでしたが、このままでは野球人生がここで終わってしまうかもしれないという危機感が大きい。今までよりも進んだ自分でありたいし、進んでいかないといけないなと強く感じます。
今年は高津監督から初めて開幕投手に指名されました。8日の広島とのオープン戦(マツダ)の翌日に「チームにとっても、自身にとっても刺激になってほしいという意図がある」と伝えられました。けがをして2、3年投げられない期間が続いたので、去年の秋には開幕投手は考えられなかった。もちろん先発投手として目指していた場所でしたが、想像もつかなかった。開幕投手に選ばれる投手は前年の実績があったり、今まで積み上げてきたものがあったりする中で、実績もない、一年間ローテーションを回ったこともない自分で本当にいいのかなという気持ちでした。
責任感を持ってやってほしいという高津監督の意図を感じました。今までだったら若いから無理をするなとか、そういう見られ方をすることが多かったですが、覚悟を決めてやらなきゃいけない。そのためには一年間を通して、開幕投手と言われるピッチャーとしての活躍、チームへの貢献度をしっかり見せていきたい。村上さんがいつもそうしているように、周りから見える気持ちも示していかないといけない。開幕のマウンドを任されて、勝利への気持ちを見せていかないといけないし、プレーでもそうい執念を見せていくことはチームにも伝わると思っています。
石川さんからは『(開幕戦は)143分の1だから、楽な気持ちで投げたらいいよ』と言ってもらって気持ちが楽になりました。マウンドに立つときはそれぐらいの気持ちで、落ち着いてマウンドに立ちたい。ただ、開幕投手に指名されたという責任はしっかり感じながらやらなければいけない。そこは忘れずに一年間やりたいです。
春季キャンプが終わってからは、朝食を見直しました。今まではプロテインとサプリを飲んで、出力を出すために白米を食べたりとバラバラでしたが、最近は朝食のメニューを決めています。野菜スープとヨーグルトにきなこ、はちみつ、オートミール、ミックスベリーにバナナを入れて食べています。朝からルーティンを決めることで、一日のスタートが決まるんじゃないかという思いからです。
今年は自分にとっても、チームにとっても特別なシーズンになります。チームのスローガンは「捲土重来」。自分もチームももう一度、巻き返して頂点に立てるように、一年間活躍したい。チームにとってとても大事な方々が亡くなられて(※)、そういう思いも感じながらグラウンドに立ち続けたいです。(東京ヤクルトスワローズ投手)
※注=ヤクルトは、2月10日に前球団代表取締役会長CEO兼オーナー代行の衣笠剛氏が、同7日に死去したと発表した。2011年に球団社長に就任後、球団経営の黒字化を達成し、15、21、22年と3度のリーグ優勝、21年の日本一達成を支えた。また、同19日には球団公式マスコット、つば九郎を長年支えてきたスタッフの死去も発表された。
★この日の奥川
奥川は全体練習が始まる前に敵地のマウンドの感触を入念に確認し、キャッチボールなどで備えた。開幕戦の相手は昨季のリーグ覇者の巨人。チームは昨季12勝13敗と負け越したが、奥川自身は8月2日の対戦(東京ドーム)で6回2安打無失点で勝利投手になるなど通算4試合で3勝0敗、防御率1・96と好相性を誇る。「力のあるチーム。負けない気持ちを持ってチャレンジしていきたい。どんどんストライク先行で攻めていけたらいい」と意気込んだ。
★丸ごとスワローズに登場
奥川は4月1日発行のサンケイスポーツ特別版「丸ごとスワローズ」81号の巻頭インタビューに登場。オフシーズンの取り組みの意図や、メンタル面の変化などを語っている。
■奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ) 2001(平成13)年4月16日生まれ、23歳。石川県出身。星稜高2年春から4季連続で甲子園大会に出場し、3年夏は準優勝。20年にドラフト1位でヤクルト入団。21年はプロ初勝利を含む9勝をマークすると、巨人とのCSファイナルステージ第1戦で完封勝利を挙げ、MVPに選出。昨季は6月14日のオリックス戦で980日ぶりに勝利投手になるなど、3勝を挙げた。184センチ、82キロ。右投げ右打ち。独身。今季年俸2100万円。背番号18。


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