日本ハムの新人合同自主トレーニングは12日、千葉・鎌ケ谷市の球団施設で第2クール初日を迎えた。ドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)=早実高=が初めて屋外でのノックに臨み、三塁守備に本格挑戦する考えを表明。高校時代は一塁を任されていたが、栗山英樹監督(56)の意向もあり、“ホットコーナー”でレギュラー奪取を狙う。また、大阪府内の施設で自主トレを公開した中田翔内野手(28)は、清宮を4番に“推薦”するなど期待を寄せた。

 気温5度の寒空の下、元気な声が鎌ケ谷スタジアムに響いた。「さあ、来い!」「よっし!!」。新人合同自主トレで初めて屋外でのノックに臨んだ清宮が、三塁挑戦への強い決意を示した。

 「(三塁は)すごく大事なポジション。ミスを恐れてはいけないですけど、大事なポジションであることには変わりはない。任されたからには、全力でやっていかないといけないと思います」

 使い慣れたファーストミットではなく、米ローリングス社に製作してもらった三塁手用のグラブをはめてグラウンドに向かうと、福島チーフトレーナーのノックを軽快にさばいた。他の新人6選手と交代しながら、約15分間でエラーはわずか1度。無料開放された内野スタンドからファンが見守る中、軽やかなランニングスローも披露した。

 早実高時代は、ハンドリング(グラブさばき)が柔らかく、ショートバウンドの対応ができたため一塁を任されたが、中堅にも挑戦するなど柔軟性がない選手ではない。三塁は「高1の時ですかね。招待試合で1試合だけ」経験があるという。

 栗山監督も「(早実高の)和泉監督とも同級生だから話している。外野もできるし、サードもできると言っている」とするなど「三塁・清宮」の可能性を探る考えを明かしていた。米大リーグ挑戦も視野に入れる18歳のため、将来の幅を広げてあげたいとの“親心”が、そこにある。

 実現すれば、清宮にとってレギュラー奪取への後押しにもなる。一塁の中田は2015、16年にゴールデングラブ賞を受賞した不動に近いレギュラー。一方、三塁には昨季32本塁打のレアードが座るが、今季が2年契約の2年目。今後のチーム作りを考えると大きなメリットがある。

 さらに、三塁といえば巨人・長嶋茂雄終身名誉監督も守ったホットコーナー。広島・衣笠、巨人・原、阪神・掛布ら各球団のスターが任された内野の花形のポジションだ。独特の動きや送球など課題はあるが、ノックを見守った飯山2軍内野守備走塁コーチは「トライすることは全然、悪くない。守備はやればやるだけ、うまくなる」とバックアップを約束した。

 この日、清宮は午後から室内練習場で今年初めて投球マシン相手の打撃練習も行い、ティー打撃を含めて76球を打った。連日の8時間を超える豊富な練習量にも「高校の時も毎日練習していたので、大したはことない」と涼しい顔を見せる。

 第一歩が記された「4番・サード・清宮」への道。北の大地に、このアナウンスが流れる日は遠くないかもしれない。 (桜木理)

★清宮と守備

 早実高で清宮を指導した和泉実監督は「高校野球では一塁の守備が大事」と、一塁に固定した理由を説明。ショートバウンドの処理がうまいことなどを踏まえた積極的な登用だったことを明かす。三塁は1学年下の4番・野村(2年)の定位置だったため、ほとんど経験がないが「中堅はやらせた」という。サンケイスポーツ専属評論家の小早川毅彦氏は「一塁守備以外もトライさせるのは当然。彼の能力からすると捕手、二塁、遊撃といった“特殊”なポジションでない限り、十分にこなせると思う」としている。