(セ・リーグ、広島1−0巨人、19回戦、広島14勝5敗、12日、マツダ)巨人は12日、広島19回戦(マツダ)に0−1で敗れた。4番・阿部慎之助内野手(38)が九回一死から左前打を放ち、球団生え抜きでは史上5人目となる通算2000安打まであと1本に迫った。チームは今季最少タイの4安打で8度目の零封負けとなった。

 G党が陣取る三塁側2階席に「あと1」の文字が並んだ。1点を追う九回一死で迎えた第4打席。阿部の打球が左翼で弾んだ。歓声とともに、大小さまざまのファンお手製の「アベメーター」が忙しくめくられた。

 「あと1本? その前に、勝てなかったことが悔しい。智之(菅野)が一生懸命粘って、粘って投げていたから」

 1999本目の安打は、バットが体に巻き付くような器用なスイングで放った。薮田の内角高めの変化球を左翼線へはじき返し、反撃の口火を切った。高橋監督は代走・寺内を起用し最後の勝負をかけたが、続く村田が二ゴロ併殺に倒れた。

 今季、8度目の零封負けに高橋監督は「結局は抑えられたというか、打てなかったというところではないですか。それしかないなと思いますけど」と嘆いた。

 大台に王手をかけた阿部も、敗戦に険しい表情だったが、頬を緩ませる場面があった。この日、東京から夫人・悠さんと3人の子供らが駆けつけ、バックネット裏で一家の大黒柱の名前入りタオルを振って観戦した。試合後、球場からチームバスに乗り込む直前、阿部は駆け寄ってきた家族を前に、表情を緩めた。13日の今カード第3戦も観戦予定。カープファンで真っ赤に染まる球場で、愛する家族、そしてG党が見守る前で節目の1本を放つ。

 前カードの阪神3連戦(東京ドーム)に続いて首位・広島に勝ち越しを決めれば、上位進出へ足場が固まる。「(2000安打は)あんまり意識せず、明日(13日)勝って、(阪神と広島の)上位2チームに勝ち越して(東京に)帰りたい」と阿部。勝利のために放つ次の安打が、歴史に色濃く残る一打になる。 (谷川直之)

★対岡田、打率・357

 阿部は13日に先発する広島・岡田とは相性が良い。昨季は打率・400(5打数2安打)、1本塁打。今季も5月13日(マツダ)に7号2ランを放つなど打率・333(9打数3安打)、1本塁打だ。広島には2010年4月7日に急逝したOBの木村拓也さん(享年37、当時は内野守備走塁コーチ)が眠る。阿部は時間を見つけては墓参りしており、木村さんが天国から見守る前で偉業を達成する。

データBOX

 阿部が13日に2000安打を達成すると2056試合での到達となり、2106試合での衣笠祥雄(広島)に次いで11番目のスロー記録となる。巨人の生え抜きとしては川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、柴田勲に次いで5人目の達成だが、2143試合での柴田に次いで2番目に遅い到達。最も遅かったのは2803試合の谷繁元信(中日)。