SMBC日本シリーズ2020は22日、第2戦が行われ、3年ぶりにパ・リーグを制したソフトバンクがセ・リーグ2連覇の巨人に13−2で大勝して2連勝を飾った。二回に甲斐拓也捕手(28)がシリーズ初本塁打を放つなど打線が爆発。ホークスの大阪でのシリーズ2連勝は、南海時代の1959年以来61年ぶりとなった。23日は移動日で試合がなく、第3戦は24日にペイペイドームで行われる。

 豪傑なホークス戦士らしいフルスイングが、次々と飛び出した。大阪での日本シリーズで61年ぶりの連勝発進だ。ともにシリーズ球団最多タイの3発&13得点で巨人を木っ端みじんに粉砕。工藤監督も胸を張った。

 「みんながつなげる野球をやってくれたことが、勝利につながったと思います」

 口火を切った一発こそ南海の魂を宿す男だ。3−0の二回1死、甲斐が打席へ。142キロの直球を強振すると、長い滞空時間を経てバックスクリーン左に着弾した。頂上決戦の初アーチに「芯で打つことができました」とほっとした表情でホームを踏んだ。リード面でもG打線を2得点に封じ、2試合で3失点に抑えた。2戦連続で先発投手に白星がつく理想的な展開は、まさに勝たせる捕手だ。

 今季から野村克也さんの代名詞でもある背番号『19』に変更。今年2月に野村さんは天国へと旅立ち、19番の背中も、3年ぶりにリーグ優勝に導く雄姿も、野村さんに見せられなかった。「本当は(19番を)直接見てほしかった」。2018、19年はリーグ2位。だからこそ甲斐にとって「自分がやらないと、何か変わらないと、と思えた番号」。ホークスで背番号19の選手が日本シリーズで本塁打を記録したのは、巨人と対戦した1965年11月5日の第5戦の野村さん以来だった。

 覚悟を胸に飛び込んだシーズン。家族が一番の支えだった。10月に2歳となった愛息はまさに育ち盛り。遠征から帰ってくる度に「どんどん成長していましたよ」。覚える言葉の数も、着る服のサイズも、すぐに大きくなっていった。なかなか光を浴びない捕手というポジション。批判が聞こえてくれば、夫人がそっと声をかけてくれた。「気持ちも察してくれているし、一番に支えてくれていた」。結果で応える姿こそが、恩返しだ。

 南海時代に本拠地を置いた大阪。47年前の巨人との日本シリーズでは第1戦に勝利も、そこから4連敗を喫した。大阪での日本シリーズ2連勝は、野村さんが捕手を務め、杉浦忠が4連投で4連勝した1959年以来61年ぶりだ。これで日本シリーズ10連勝、ポストシーズン14連勝。それでも、工藤監督に油断は一切ない。

 「切り替えて3戦目に集中して。勝てるように頑張っていきたいです」

 このまま地元・福岡で一気に4年連続日本一へ。常勝の血が流れているからホークスは強い。 (竹村岳)

甲斐 拓也(かい・たくや)

 1992(平成4)年11月5日生まれ、28歳。大分県出身。楊志館高から2011年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。13年11月に支配下登録。17年に正捕手に定着し、ベストナインを受賞。ゴールデングラブ賞も同年から3年連続で受賞。18年の日本シリーズでMVP。今季成績は104試合で打率・211、11本塁打、33打点。通算成績は492試合で打率・231、34本塁打、132打点。170センチ、84キロ。右投げ右打ち。既婚。今季年俸1億1000万円。背番号「19」