第99回全国高校野球選手権大会第3日第3試合(聖光学院6−0おかやま山陽、10日、甲子園)6点リードの九回二死二塁。打者への3球目、二走の三盗が失敗し、斎藤が今大会完封一番乗りを果たした。

 「(完封を)意識していなくて、終わってみたら0点に抑えていた。無駄な四球はあったし、ピンチもあって…。ボール球を振ってくれた」

 夢舞台の甲子園で斎藤が、うれしい公式戦初完封。7月22日の福島大会決勝を中指のまめの破裂で登板回避。ゆで卵の卵殻膜(内側の膜)を朝晩患部に巻く治療を続け、納得のスライダーを投げられるまでに回復した。

 斎藤にとって、岡野祐一郎投手(現東芝)がエースだった2012年から聖光学院は憧れの学校だ。岡野先輩は気迫を前面に出す投球が持ち味。さらに、楽天・則本昂大投手もイメージし「気持ちで押す投球」を常に心掛けている。この日は最速141キロの直球にスライダー、チェンジアップがさえて、5安打4四死球も12三振を奪った。

 斎藤智也監督(54)は「継投を考えていたので、斎藤の完投は想定外、予想外。内角を攻め、低めに集め、よく投げ、打線もよく打った」とうなった。

 11年連続の福島代表ということに充足感など、どこにもない。斎藤は「1戦ずつ倒して結果的に日本一」。エースがナインの総意を力強く口にした。 (赤堀宏幸)

3安打2打点の聖光学院・仁平主将「感覚よく振ることができた。調子が良くなかった相手投手につけ込むことができた」

完封した斎藤をリードした聖光学院・佐藤晃「スライダーが低めに決まった。今まで受けてきた中で一番の投球だった」

斎藤 郁也(さいとう・ふみや)

 1999(平成11)年7月28日生まれ、18歳。福島県いわき市出身。小2で軟式野球を始め、勿来一中時代は硬式のいわきボーイズで投手と外野手。聖光学院では1年秋にベンチ入りし、昨夏甲子園に出場。1メートル74、72キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉。