サマンサタバサ・レディース最終日(16日、茨城・イーグルポイントGC、6667ヤード、パー72)プロテスト7回受験の苦労人が飛躍した。首位に2打差の3位から出たプロ4年目の岩橋里衣(31)=フリー=が4バーディー、1ボギーの69で回り通算7アンダーで日本勢最高の2位。賞金ランクも44位に浮上し自身初のシード獲得へ前進した。首位から出た日本ツアー初参戦の金楷林(キム・ヘリム、27)=韓国=が通算11アンダーで初優勝。ユン・チェヨン(30)=韓国=が通算7アンダーで2位に入るなどコリア旋風が巻き起こった。

 気温30度超の蒸し暑さの中で首位争いを展開。通算7アンダーで日本勢、そして自身最高の2位に入った岩橋が、満足げに汗を拭った。

 「後半は伸ばせなかったが、いいゴルフができた。リズム良くできた」

 4番(パー4)で5メートルのバーディーパットを沈めると連続バーディー。パットの好調さに加え、ドライバーの精度も上がった。これまでは左右に散らばっていたが前週から契約中のマルマンの最新モデルに変更。「暴れなくなった。フェアウエーに置けるのは大きい」。飛距離を10ヤード伸ばしたことも奏功した。

 下積み時代の経験が生きた。埼玉平成高を卒業後にプロを志したがテストで6度不合格。14年に“7度目の正直”で受かったが下部ツアーで伸び悩んだ。その際の心の支えにしたのが座右の銘『今、ここに』。意識すると体が固くなる。ならば1打に集中する。「自分ができる今を頑張ろう」と高めた集中力でツアーに這い上がり、今大会で初の優勝争いを演じた。

 高校時代は看護師を目指していた。体調管理への意識が高くストレッチを重視する。試合中は多くの選手がホテルに泊まる中、広々したスペースで体を伸ばすため部屋が広い民宿に宿泊。6月の「ヨネックスレディス」ではコースから5分ほどの海の家で寝起きした。

 昨季の賞金ランクは118位。今季は今大会で賞金474万円を加算したことで約1224万円とし同ランク44位。シード獲得の50位圏内に入った。昨年度ボーダーラインは2013万5833円で、約800万円を稼げば初シードに手が届くが「今後何試合かあるので1戦1戦です」。苦労人は気を引き締めた。 (阿部慎)

通算7アンダー2位のユン・チェヨン「短いパットが決まらなかったが、ミドルパットが入ってくれた」

5位に終わった上田桃子「日本の選手としては悔しいし情けない。個人的には1日楽しいラウンドだった」

通算3オーバーで33位のイ・ボミ「感覚が合わない部分が合ったので、もうちょっと練習して調整したい」

★気合の勝負服

 この日の岩橋はオレンジ色のウエアで臨んだ。ツアーの前半戦では落ち着いてプレーするため暗色系を選択していたが、最終日に変身。スタートからスコアを出すため明るめのウエアを身につけテンションを上げている。「目立てるなら目立った方がいい」と選んだ勝負服がメンタル面でサポートした。

岩橋 里衣(いわはし・りえ)

 1986(昭和61)年5月27日生まれ、31歳。埼玉県出身。埼玉平成高卒。10歳でゴルフを始める。高校3年時に埼玉国体代表。2010年からQT経由でツアー単年登録し、12年以降は下部ツアーを中心に出場。2014年にプロ転向。今季獲得賞金は1223万7571円で44位(16日現在)。日本ツアー通算0勝。1メートル56、53キロ。