日本相撲協会は6日、東前頭6枚目の貴ノ岩(28)に暴行を受けた千賀ノ浦部屋の弟弟子で付け人の三段目貴大将(23)から事情を聴取した。協会の危機管理委員会・高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)らが聴き、貴大将は事実関係の食い違いはないとした。一方、東京・台東区の千賀ノ浦部屋での「謹慎」を言い渡された貴ノ岩はこの日、自宅から部屋へ移り、被害者と加害者が一つ屋根の下で生活することになった。

 師匠の運転する乗用車の後部座席に座った貴ノ岩は、車が千賀ノ浦部屋の玄関横につけられると無言で中へと入った。付け人への暴行が発覚してから一夜明け。千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が顔を曇らせた。

 「(協会から)厳しく監督するようにと言われた。(貴ノ岩は)後悔していますと。何でこんなことになったのかなど、いろいろ話し合う」

 暫定措置として冬巡業休場と部屋での謹慎となった貴ノ岩は、自宅から千賀ノ浦部屋へ移った。個室に入って外出も制限される。千賀ノ浦親方によれば、貴ノ岩と貴大将が同じ屋根の下にいることを考慮。貴大将の携帯電話を預かり、兄弟子との連絡手段を断った。

 前日の貴ノ岩に続き、この日は貴大将が協会から約1時間、聴取を受けた。

 貴大将は4日夜、冬巡業先の福岡・行橋市内の宿舎で貴ノ岩から顔面を殴打された。忘れ物をした貴大将が言い訳をしたことに立腹した貴ノ岩に、平手と拳で4、5発殴られたという。大きな外傷はないものの、頬が腫れて病院で診察を受けた。

 この日、協会に姿をみせた貴大将は部屋の朝稽古の稽古場へ下りたという。顔面に傷や腫れの形跡はなく「(けがは)大丈夫」。自らにも非があったことについては「そうですね」と認め、事実関係も「全部一緒」と貴ノ岩との食い違いはないとした。

 貴ノ岩は昨年10月、元横綱日馬富士による傷害事件の被害者だったが、立場が一転。加害者となり、協会は今後、理事会で処分を検討する。貴ノ岩が事実を認めて謝罪の意を示し、被害者の付け人も自身にも非があったとする関係性について、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「当人同士の問題ではない。こうした(暴力行為が)起こったことが問題だ」。協会では10月下旬に「暴力決別宣言」を発表し、根絶への具体的7項目を発表したばかり。傷のなめ合いは許されない。 (奥村展也)