8ゲーム差先をいく広島を、必ず追い越す! 阪神・金本知憲監督(49)が16日、大逆転Vを宣言した。甲子園で行われた全体練習に参加。17日の広島戦(甲子園)から始まる後半戦を前に「上しか見ていないし、前しか見ない」とキッパリと語った。選手時代には、2桁ゲーム差逆転Vを2度も目の当たりにした。今後はこちらがやる番だ!!

 鉄人・金本が歩んできた歴史が物語っている。8ゲーム差なんて逆転不可能な数字ではない。射程圏内だ−と。独走気配の広島に一番、近い位置にいるのが2位阪神。臆することなく、堂々の逆転V宣言だ。

 「上しか見ていないし、前しか見ない。そういう気持ちを大事に、選手にも浸透させたいね」

 17日からの広島3連戦を皮切りに、後半戦が始まる。金本監督が言う「上」とはもちろん広島であり、優勝。8差について「近くはない」「しんどい作業になる」と付け加えたが、ひっくり返してみせるという闘志は揺るぎない。そのためのシナリオも、明確に描いていた。

 「六回までに相手をリードできるように、点を取ることですね。ウチの先発が2点取られたら3点取る。そこで七、八、九回は3人が投げる」

 前半戦で7つの貯金を作り、2位につけた原動力は、安定感抜群のリリーフ陣。七回を桑原、八回をマテオ、九回をドリス。六回終了時点でリードしていれば、勝利の可能性はグンと上がる。それが2017年猛虎の必勝パターンだ。

 必要な得点力は福留、糸井、鳥谷の“ベテラン三銃士”に託す。「野手に関しては3人が主力ですし、成績で引っ張ってほしい。主力だから。『主』な『力』だから。本当に彼らが引っ張ってくれないと、チームが機能しない」。経験豊富な3人の活躍なしに浮上の芽はない−と、改めて持論を展開した。

 ネバー・ギブアップの背景にあるのは、選手時代のホロ苦い思い出だ。忘れもしない1996年。当時、指揮官は広島の主軸。一時は11・5差もつけた巨人に大逆転優勝され、奇跡のシナリオは当時の巨人・長嶋監督が名付けた「メークドラマ」として、いまなお語り継がれている。

 大逆転の屈辱は阪神時代の2008年にも味わった。最大13ゲーム差をつけた巨人に、またも覆される悪夢。思い出したくもない記憶かもしれないが、巨人にできて阪神にできないことはない。今度は阪神が、金本監督が…。ましてや今、広島との差は“わずか”8ゲーム。鉄人の視線の先に、ライバルの姿はクッキリと見えている。

 「甲子園(での広島とのカード)は、今年3回目か。(過去6試合は)5勝1敗やね。地元のファンの前でいい試合ができるようにしたいね」

 地の利もある。14日には坂井オーナーから来季の続投要請を受け「意気に感じてやるだけです」と覚悟を新たにした。腰をすえて挑む後半戦。主演・金本知憲。2017年大逆転ドラマが、幕を開ける。 (上田雅昭)

データBOX

 ◎…阪神が今季、六回までにリードしていた試合は32試合あり、内訳は29勝3敗と圧倒的に勝っている

 ◎…阪神は今季、広島戦で6勝5敗。うち甲子園では5勝1敗