9月10日、富士山の夏山シーズンが終わりました。2021年と比べると、にぎわいを取り戻したことしの富士山ですが、その分、目立ったのが遭難事故でした。

9月10日、およそ2か月間の富士山の夏山シーズンが最終日を迎え、登山道が閉鎖しました。静岡県側にある3つの登山道は、富士宮口は六合目、須走口は五合目、御殿場口は新五合目から、それぞれ山頂までの区間が冬季閉鎖となります。

<最終日に登頂した人>
「滑り込みですね。滑り込みセーフで何とか来ました」
「(山頂の景色が)思っていた以上で、また来たいかというのは別だが、人生に1回は見た方が良い」

10日も天候に恵まれ、たくさんの人が登山を楽しんでいました。

富士山は新型コロナの影響で2020年は開山せず、2021年の登山者数もコロナ禍前の3分の1ほどの水準でしたが、今年の人出はどうだったのでしょうか。

<宝永山荘 渡井弘子社長>
「お客さんが多かった。去年と比べたらずっと良かった。どこの小屋もよかったのではないか」

静岡県側の登山者数の発表はこれからですが、お隣・山梨県の吉田口の登山者数は、2019年の6割ほどであるものの、2021年のおよそ1.8倍になっています。

<タクシー運転手>
「ことしはちょうど最盛期に天気がよかったので、入りは去年よりも多かった。おかげさまでタクシーは忙しかった」

にぎわいが戻った一方で、今年目立ったのが遭難事故でした。

<静岡県警 山岳遭難救助隊 坂上雅信隊長>
「開山期間中に50件51人が遭難している。行動制限が無い夏ということで、コロナ禍前に戻ったのかなと実感している」

静岡県警によると、今年7月10日から9月10日までに起きた遭難事故は50件で、2021年の3.5倍になっています。2019年は46件だったので、コロナ禍前と比べても変わらない水準です。中でも今年、遭難事故の原因として、目立ったものがありました。

<静岡県警 山岳遭難救助隊 坂上雅信隊長>
「ことしの夏に限っては、疲労で下山をできなくなってしまった、疲労によって救助要請するという方が非常に多かった」

遭難の原因を種類別に見てみると、「疲労」22件、「病気」13件、「転倒・滑落」9件などとなっていて、なんと、半数近くを「疲労」が占めているのです。上りで体力を使い切ってしまい、下山中に動けなくなり、救助を要請するというケースが多かったということです。

遭難者の増加で大忙しだった静岡県警の山岳遭難救助隊ですが、閉山後もまだ出番は続きます。

<静岡県警 山岳遭難救助隊 坂上雅信隊長>
「開山期間終了後も、ちょっと登ってみるかという人がいるが、色々なリスクを背負って登ることになるので、非常に危険な山に変わるということを理解してもらえればと思う」

そもそも富士山の冬季閉鎖は、気象条件が悪化し、山小屋も閉鎖する中、登山者の安全が確保できないことから実施するものです。しかし、閉山後も登山者が後を絶たず、2019年には冬季閉鎖中に7件の遭難事故が起きています。

<静岡県警 山岳遭難救助隊 坂上雅信隊長>
「山は楽しく登って楽しく下りるという、よい思い出で帰ってもらいたいので、遭難事故が1件でも減るように、みなさんに協力してもらえればと思う」